【アニメ感想】シュガーアップル・フェアリーテイル 第8話『あなたを見つめつづければ』

24.05.17

フィラックス城での砂糖菓子づくりに苦戦するアン。
そんな中、憔悴した様子のジョナスがミスリルの羽を盾に、アンにシャルを追い出すように要求する。
シャルが城を去ったあと、アンを生贄に捧げ自身を解放してほしいと公爵に嘆願するジョナス。
怯えた様子の彼を見たアンは驚愕し呆れながらも、同意であると、砂糖菓子は自分が必ず作るから彼を解放してあげてほしいと進言する。

公爵が満足する砂糖菓子が出来上がるまでフィラックス城に囚われることになったアンは、肖像画の妖精に両羽がある意味、そして職人として欠けてはならない大切なことを思い出す。

聞かなきゃ。この妖精のことを……公爵様に——

シュガーアップル・フェアリーテイル第8話『あなたを見つめつづければ』、始まります。


室長
室長

あれ、しゃおちゃん?!

しゃお*
しゃお*

おひさしぶりでーす!
どうしても8話が語りたくて、お休み切り上げてきちゃいました(笑)

室長
室長

そうなんだ(笑)
ちゃんと”知りすぎてる感”は隠さないとダメだからね?

しゃお*
しゃお*

わかってますよ〜!ということで、今回はわたしと室長で語ります!
冷静なHERO君がいないのでどうなるか分からないですが、どうぞよろしくお願いします!

この記事は、10038C-R’s Noteメンバーと管理人がTVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』第8話を視聴して内容を軽く紹介・解説しながら、感想を楽しくお喋りしている記事です。
原作の内容も含みますので、作品のネタバレを回避したい方は、ぜひここでブラウザバックしてアニメを視聴、または原作を読むことをお奨めします。
そしてぜひ、そのあとに感想を分かち合いましょう…!

アニメ8話は原作第2巻『銀砂糖師と青の公爵』六章から

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第8話

Story Introduction

第8話『あなたを見つめつづければ』

フィラックス城を後にして、偶然にもヒューと再会するシャル。
そこでヒューから、王家とフィラックス公の衝突危機を聞いたシャルは、巻き込まれてしまうアンのために急ぎ城へ戻る。
一方、砂糖菓子のモデルとなる妖精のことを深く知りたいと願うアンは、フィラックス公と対面する。

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー

第8話は、原作2巻の六章『記憶の中の妖精』、七章『あなたを見つめつづければ』、そして短編集から『天国の銀砂糖師』の一部が収録されています。

室長
室長

『銀砂糖師と青の公爵』もクライマックスですねぇ。

そうですね。作中大変なことに巻き込まれてますが、そもそもアンがフィラックス公のお召しに応じたのは、温かくて安全な宿でシャルとミスリルと三人で素敵な年末を過ごすためのお金が必要だったからですからね。
無事に仕事を終えて平和に過ごしているところをしっかりと見届けたいものです。

それでは、そんな第8話『あなたを見つめつづければ』について語っていきましょう〜!

カットまたは再編により変更されたシーン

  • 冒頭でアンがお目通りをお願いした相手【カット】
  • “キース”【カット】
  • 風見鶏亭でのエピローグ【カット】
室長
室長

今回の細かい変更点は大体本筋に関わるところだったので、事実上のカットは上記三点になりますね。

しゃお*
しゃお*

しかも一個目は冒頭の一瞬しかないから、実質カットされたのは原作のエピローグだけですね。すごいな…8話すごい…

冒頭でアンがお目通りをお願いした相手【カット】

冒頭、真剣な表情で公爵へのお目通りをお願いしているアンが映りますが、アニメではその相手が映りません。
実は相手はデールで、6話では丁寧に接してくれていた彼が明らかに違う厳しい態度を見せているところが原作で描かれています。
アニメでも職人の世話役や公爵との取次はデールがやっていたので台詞が無くても察することはできますが、態度の変わった彼もちょっと見てみたかった…という気持ちはあります。

しゃお*
しゃお*

わかる。市川蒼くんの演技がハマりすぎてるからもっといろんなデールが見たかった。

“キース”【カット】

実は、アニメでは続く9話『ラドクリフ工房』で初登場のキースというキャラクターが原作ではすでにここで登場します。

市場やフィラックス城だけでは飽き足らず、結果を出して名誉と共に帰ってきたアンをまだ貶める不届者たち—— 風見鶏亭の女将さんに論破されてもなかなかおさまらないその揉め事を、彼らと同じラドクリフ工房の職人と思われるキースという青年がおさめるシーンがアニメでは丸ごとカットされています。

室長
室長

このカットが次話でどう生きてくるのか楽しみです。

風見鶏亭でのエピローグ【カット】

また、そのあとにアンはシャルとミスリルと共に風見鶏亭に部屋を取りつつ食事を注文するシーンがありますが、こちらもアニメではカットされています。
そこではフィラックス城で「アン」と呼んでくれたシャルがそのあとどう変わったのか、また初期のかかし呼ばわりについても言及されています。

しゃお*
しゃお*

アニメだとシャル視点もそうだけどこういうシーンもほとんどカットされるから…

室長
室長

まぁその代わりに『天国の銀砂糖師』の素敵なシーンが追加されたので。

しゃお*
しゃお*

そうですね〜。前まではそういうのも一応リストに入れてた気がしたんですが、最近の記事では本編に関わりの強い変更点はもうリストに入れず後の段落でお話しするようにしてるんですよね。
ということで、アニメエピローグについてはまた後でお話ししましょう。


というところで。それでは本編行きましょう。

キャラクター紹介

今回の新しいキャラクターは兵士(cv.新倉健太)のみでした。
フィラックス公の部屋に攻め入る際にかけ声を上げた兵士ですね!

しゃお*
しゃお*

アン役の貫井柚佳さんと同じ事務所の方なんですね〜!

技アリAパート

Aパートでは、フィラックス城での公爵とアンの会話、そしてヒューの根回しに付き添うシャルのシーンを交互に映しながら物語が進むのですが……
当事者の公爵ウィリアム・アルバーン、銀砂糖子爵で公爵とは古い付き合いのヒュー・マーキュリー、砂糖菓子職人として関わってしまったアン・ハルフォード、そして事情を知る傍観者の妖精シャル・フェン・シャルという四人の視点で現在の状況を見つめることができます。

肖像画の妖精と公爵

西日の差す公爵の私室で、アンはまず手始めに肖像画の妖精の名前を尋ねますが、砂糖菓子づくりに必要なことだと言ってもそう簡単にはいきません。
公爵は、思い出に立ち入った結果作れなければ死を以て償ってもらうと抜き身の剣を見せました。

原作では提げ持つだけのところを、剣の鋒で顔を上げさせるのはおっかない……薄暗い室内で西陽を背にしている逆光のローアングルも迫力満点で、公爵の怒りが盛って表現されたところですね。

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第8話
室長
室長

ジョナスと違って暴力の痛みは無いですけど、かなり怖い目に遭ってますね…

しゃお*
しゃお*

アニメでは覚悟ガンギマリの冷静なアンちゃんに見えますが、原作のここを読むとかなり恐怖していたみたいでした。

そしてアンの死なない覚悟、絶対に作り上げる覚悟に負けた公爵はおもむろに名前を口にし、妖精のことを語り始めました。
感情の見えない瞳を窓の外に向け、興味のない小説を読むような抑揚のない声で。

妖精は使役するのが普通で、人間と似たような姿形をしているけれど道具のような認識を持つハイランドの人々……という設定を刷り込まれ、妖精と友達になりたいアンは異端なのだと思ってきたわけですが、ここにきて公爵もアンやリズと同じく妖精を庇う行動をした過去が明らかになりました。

室長
室長

元々6話で「公爵は妖精を使役するのがお嫌いなんだ」という家臣の台詞がありましたが、もしかしてアルバーン家は昔から妖精を使役しない家だったのでしょうか。
アンもお母さんから妖精を蔑んだりしてはいけないと言い聞かされてましたし。

その辺は原作でも明らかになっていないのですが、海辺で会って「不憫だから」と城に連れ帰り匿った妖精——クリスティーナを大切に慈しんだのだということは分かります。
そして”クリスティーナ“は妖精本来の名前ではなく公爵が付けた名前ですが、妖精が「人間のような名前で呼んでほしい」と言って付けてもらったという、これも今までの前提がちょっと覆る展開ですよね。

しゃお*
しゃお*

確かに、初めてこれ聞いた時「そんな妖精いるんだ…」ってなったもんなぁ…

公爵とクリスティーナとの出会いから別れの話を聞いたアンは公爵の姿に自分の思いを重ねて受け止め、公爵の肖像画の妖精に対する思いを理解し始めます。
原作では自分視点のモノローグでしたが、アニメでは公爵の気持ちを想像しているニュアンスに変わっている気がしました。

妖精の愛人

一点を見つめたまま黙り込む公爵のカットを印象付けたのち、雪が降る中フィラックスから移動するヒューの馬車にシーンが移り、原作では公爵がそのまま語っていたクリスティーナの寿命についての話を彼女と面識のあるヒューが引き継ぎました。
ここは原作では公爵とアンの会話が終わってから別で描かれているシーンなのですが、そこではすでに宿屋へ帰りついた時系列でした。

おそらく原作と違ってカット&ペーストによりその足でダウニング伯爵のところに行くから馬車に乗ってた方が都合が良いとかそういうことなのではと思いますが、ふたところで同じ話題を話しているのが上手く繋がって映像ならではの演出になり、情報が頭に入ってきやすいです。

馬車内にはヒュー、サリム、シャルがいて、主に話をしているのはヒューでたまにシャルが口を開くという構図なのですが、ここは公爵の事情を察したヒューと冷めているシャルの事象の捉え方の違いが興味深いシーンですよね。

しゃお*
しゃお*

“クリスティーナ様”って聞いてまず「恋人か?」じゃなくて「愛人か?」って聞くのがなんか貴族社会を理解している&年嵩のシャルならではというか……子爵のヒューも否定しないし(笑)

室長
室長

アニメだと表現されなかったところですが、アンはクリスティーナのことは「公爵の恋人」っていう認識ですもんね(笑)

室長
室長

まぁ、シャルはクリスティーナが妖精だと知って扱いが”愛人”から道具としての”愛玩妖精”に変わったのだけど……

しゃお*
しゃお*

人間を馬鹿にする嘲笑からヒューの態度への困惑……シャルもそんな丁寧な扱いを受ける妖精のことは初めて知ったんでしょうね……

妖精の寿命と砂糖菓子、そして水の妖精

クリスティーナは寿命で消えてしまったと察したヒューがシャルに砂糖菓子の話をしましたが……実は、美しい砂糖菓子が妖精の寿命を延ばすという設定、アニメだとここが初出かもしれないです。

しゃお*
しゃお*

なんですって!!!!

原作だと医者宿での砂糖菓子づくりのシーンでヒューが「こんなんじゃ妖精の寿命も延びない」みたいなこと言ってましたし、地の文でも確か所々で説明があったかと思いますが、アニメは多分それ全部カットになってましたね。多分。

しゃお*
しゃお*

自分第1クールは9話まで原作未読だったんですが、なんかもうずっと最初から知ってるみたいな感じでスッと入ってきてたんで全然気づかなかったです。

多分です。どこかの回で情報出てたらすみません。分かり次第追記します。


そして困惑するシャルをよそに神妙な様子でクリスティーナのことを語るヒュー……のあとに再び公爵とアンのシーンになります。

先ほどシャルが話した水の妖精の寿命のことを、公爵自身も知っていました。
あれほど強く部屋に差し込んできていたオレンジ色の西陽も空を柔らかで切ないピンク色に染める程度の弱さに変わり、まるで公爵の心情に沿うような変化です。
秒で変化していく夕暮れの空はとても好きなのですが、シュガーアップルではそれを時間経過や心情描写に使っているのがものすごく芸術点高いです。

室長
室長

語彙力がほしいですね、管理人。

ふふふ(笑)
それはさておき、ヒューの語る生前のクリスティーナの「公爵のために寿命を延ばしたい」という言葉が心に響き、思わず「公爵のために…」と繰り返したシャル。
想像できないクリスティーナの憂いを帯びた笑みの理由、理解できない彼女の考えが、これからシャルにどう影響を及ぼしていくのか楽しみです。

また、原作では水の妖精の寿命の話になった際にミスリルのことを思い出しています。
彼は湖水の水滴の妖精なので、海(波)の妖精であるクリスティーナより儚いんじゃないかと想像してしまいますが、どうなんでしょうね……

「アンはずっとおまえを呼んでるんだよ!」

出兵を取りやめる(延期する?)ようダウニング伯爵を説得するヒューをよそに、崖上に佇むフィラックス城を睨みつけ、そこに残っているはずの砂糖菓子職人を思うシャル。そこに「知り合い」が入っているらしき謎の携行缶……

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第8話

シャルを探すという使命を持ってアンと離れたミスリルが蓋を開けられる前に自分で飛び出てくるところ、フレームレートが落ちたコミカルな抗弁、涙ながらにアンの真意を訴えてシャルの髪を引っ張り回し、やけくそになって投げ捨てる動き……そして最終的に缶の中に戻されて名乗りも最後までさせてもらえない演出まですべてが好きです。大好きです。

室長
室長

登場時は自分で開けて出てきたのに…(笑)

しゃお*
しゃお*

ね(笑)

そして決め台詞になっている「アンはずっとおまえを呼んでるんだよ!」はアニメオリジナルなのですが、前半にニュアンスが変更されたアンの「今もずっと心のどこかで、アンも一人の妖精の名前を呼んでいる」が拾われたものだと解釈しています。

製作の糸口と再会

さて、ミスリルの名乗りキャンセルの直後はフィラックス城主の執務室シーンです。
公爵との対話で彼が本当に欲しいと思っているものを見つけたアンは、宣言通り公爵の御前で話をしながら作業をしていました。
あえて公爵が散々言っていたことと同じ「形にします」と言っただけあって、その作業に迷いがありません。

室長
室長

最初に部屋全体が俯瞰で映って珍しく作業中のアンの足元まで見えるので気づいたのですが、しっかり肩幅に足を開いて作業してるんですね。

しゃお*
しゃお*

練り上がった銀砂糖を綿棒で伸ばしているところでしかも今回は量も多いので、力が必要な工程なのかもしれないですね!

しかしアンの人柄や優しい語り口もあいまってほんわか優しい砂糖菓子製作シーン……というわけにはいかず、ついにダウニング伯爵の兵が城に来てしまいました。
そこでアンは初めて追い詰められた公爵の現状を知り、砂糖菓子を作り上げたいという意志を強く固くしつつ黙々と作るアン……と、交互に誰かが必死に階段を駆け上るカットが映され……

しゃお*
しゃお*

シャルきたーー!!!!

室長
室長

わーー!!!!

原作では入室して声を発するまでアンにも公爵にも気づかれないほど静かに入室したシャルでしたが、アニメでは息を切らしながら乱暴に扉を開けて入室し、アンの腰まで抱き寄せていましたね!アニオリ大盤振る舞い!!!!笑
そりゃあ多分ダウニング伯爵の天幕から城までその身一つで走ってきたんでしょうし、城は崖の上なので道は急勾配、おまけにあの葛折の階段を一気に駆け上がったらいかなシャルでも息くらい切れますわ。
しかも、一刻も早くこの手の中に戻したいと焦って余計心臓(あるのか知らないが)に負担かけてたでしょうしね。

緊迫したBパート。そして…

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第8話

Bパートは雪の中フィラックス城を包囲する兵士たちと、先頭で気を揉んでいるヒューのアニオリカットからスタートします。
アニオリというか……多分原作でもこういう状況だったんだと思うのですが、このタイミングでの改めての描写はアニメでしかしてません、ということで。

公爵の目的

静謐な砂糖菓子づくりの場に似つかわしくないとも言える情熱もとい妄執を持ち、クリスティーナの形が明確になるにつれて熱心になっていく公爵。
そしてそれを冷ややかに見るシャルによって一石投じられ、公爵の本当の目的が明らかとなりました。

妖精は生き物の視線によって、もののエネルギーが凝縮して生まれる。
私がこれを見つめていれば、ここから何が生まれるか……

室長
室長

熱心な様子を冷笑してたシャルの顔が、公爵が話し出したときにすぐ得体の知れないものを見るような表情に変わったの細かいけど良かったな。

しゃお*
しゃお*

「ならばもう一度」でゆっくり目を開く公爵怖かったよ……

宙に溶けてしまったクリスティーナのエネルギーを彼女の”形”をした砂糖菓子に再び封じ込めるのが、公爵が砂糖菓子職人を募集していた本当の目的でした。

妖精当事者であり大切な存在を亡くした経験のあるシャル。
容赦なく事実と共に否定の言葉を投げつける彼をアンが止めますが、アニメでは門の破壊が早かったためにシャルの腕にすがりながら言う「そんなこと、言わないで」がカットになっていました。残念。

あと、MR5(まじで乱戦5秒前)な危険な状況なのにそれを分かった上で仕事を最後までやり遂げると、誇りだからと言い切ったアン。
シャルも「こいつ正気か?!」みたいな顔と台詞でしたが、わたしはこのシーンのこの台詞でこの主人公やべぇ…と思って二度目の深みにハマったんですよね(一度目は3話のジョナスショック)。
そしてそんな彼女に呆れながらも、何かあれば自分が守るから納得できるまでやれと優しく言ってくれ、必ず完成までの時間を守り切ると決意するシャルも良かったです……

しゃお*
しゃお*

わかりみが深い……(合掌

戦士妖精と砂糖菓子職人

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第8話

アンと公爵がいる部屋は、中央階段の入り口を誰も通さなければたやすく守れる—— ということで、シャルは階段室の入り口で剣を片手にたどり着いた兵士たちと睨み合うわけですが、このシーンの演出がめちゃくちゃかっこよくて。
「止まれ。ここを通すわけにはいかない」と剣を出現させるシャルの台詞を合図に『シャル・フェン・シャル』という曲がイントロから流れ始め、クリスティーナの銀色の瞳を作るアンと階段室を通りたいヒューたちを足止めするシャルが交互に映ります。

いやもうカットはあれどほぼフルで流れる曲がまずかっこいいんですが、アンの祈りと作業工程がひたすらかっこいいですし、曲の盛り上がり部分でシャルがヒューに「旧知のアルバーンをこれ以上不利にしたくない気持ちは分かるがこちらもアンが望んでるから譲れない」旨を言葉少なに言うのもかっこいいですし、ちゃんと途中でアルバーン公爵の視点を挟むのも素晴らしいですし、曲の終わりで砂糖菓子が出来上がる計算されたコンテ・演出も最高なんです。

そして、アンが仕事をまっとうして自身の誇りを守り切ったこともそうですが、シャルが砂糖菓子完成までの時間を守り切ったことで、原作『青の公爵』前半でカットの憂き目にあってしまったシャルの「俺がいることであいつがあいつの意志を通せるなら、俺は離れない」を思い出して胸が熱くなるのですよ……

今まではアンの意志を尊重しているようでその実何も考えず付いていってるだけだったのが、ここで少しだけやりたいことが決まったというか、アンと一緒にいる理由が明確になったというか。そんな雰囲気を感じます。

また、アニメではエピソードカットによりシャルがヒューに羽を奪われる展開が無くなったので当然無いのですが、ここの階段室の入り口で睨み合っていたときに羽の安否をめぐった駆け引きでシャルが言い放った「俺に主人はいない」のカットがコミカライズでは非常にカッコよく描かれておりますので、ぜひ。

室長
室長

管理人、語る時は私とかしゃおちゃんが口を挟む暇がないくらい語りますよね。

しゃお*
しゃお*

このシーンが好きなのはよ〜く分かったよ。

シャル視点のアンが可愛すぎると話題に

製作の疲れと緊張からの解放でふらふらしながら階段を降りるアンが階段室の入り口にシャルの姿を認め、足を踏み外してしまい、下にいたシャルに受け止めてもらったあとのシーン。
このシーンはアニメだけでも分かる人は分かったかもしれませんが、珍しいシャルの視点になってます。

しゃお*
しゃお*

まず原作で「安堵で声が出ない」って書いてあるのを読んだ時はほんと沸いたよねぇ…
そっか〜アンが無事に帰ってきて安心したか〜!(ニヤニヤ)ってなった。

シャルの視点ではあるのですが、原作にあるモノローグはカットです……なので、名前を呼ばれるのが嬉しいと言ったアンに衝撃を受けているのはアニメではちょっとわかりづらいかも。
あと、アンの予測できない行動や強い眼差しに改めて好感を抱いていると認識するのもこのシーンなので、ぜひ原作を読んでほしいです。

その上でアニメでの表現を見ていきたいのですが、視点がわかりやすく構図に反映されているのと微妙に今までより可愛く見える表情でシャルのアンへの意識が変わったことを伝えつつ、アンの方も原作から行動が変更されたことによりシャルへの意識の変化が表現されておりました。

室長
室長

アンがシャルの背中に腕を回してたやつですね。

今までのアンって、抱き寄せられて密着した体を離そうと胸を押すことはあっても自発的にシャルの体を触ることってあんまり無かったように思うんですよね……シャルの過去を聞いて謝った時と、許可をもらって羽触ったときくらいじゃないでしょうか。
原作はちょっと確認できてないですが、アニメは確かそうだった気がしてます。

しゃお*
しゃお*

そういえば、急に横抱きにされたら反射でしがみつきそうなところをアンはそうしてなかったし、序盤で狼や盗賊に襲われたときもすがりついてなかったしね。

そんなアンの安堵や「一緒にいてほしい」という自分の気持ちを受け入れてもらえた嬉しさ、そして自分も心からシャルと一緒にいたいと思ってることを伝える手段を全部盛って表現したらああなったって感じでした。

あとは原作のエピローグ部分で「おかしな緊張感はもう感じなかった」とあることを考えると、おそらく品評会を経て使役者と奴隷の関係から友達関係に変わったとはいえ4話ラストで初恋を自覚したあとなので、5〜7話は別の意味で緊張してたんでしょうね……
その緊張感を”一緒にいる安心感”が上回ったのがここだったのかなぁと勝手に解釈しています。

TVアニメ版『青の公爵』のエピローグ

アルバーン公爵の処遇

フィラックスでの一件を終えてルイストンに再び戻ってきたアンたちは、先に到着していたフィラックス公のお召しが大成功した噂を風見鶏亭の女将さんから聞くことになります。
原作では地の文で説明されていたウィリアム・アルバーンへの処遇とその後については風見鶏亭の女将さんが聞いた話という体で台詞にまとめられていました。

しゃお*
しゃお*

お宿&食堂の女将というポジションが上手く働きまくっている…!
砂糖菓子職人の噂だけじゃなくてお貴族様の事情も素早く仕入れて詳しく知ってるとかこれ以上なく適役だよね〜!

そしてヒューに捕縛されてダウニング伯爵に引き渡されるシーンとクリスティーナの砂糖菓子を眺めて穏やかに過ごしているシーンがしっかり描かれ、そのすべてがアンが作った砂糖菓子のおかげだと聞いたアンの表情に繋がる演出で視聴者も二度温かい気持ちになれますね。

クリスティーナのポーズは立ち姿の原作と違いアニメでは座り姿なのですが、明るい日差しと気持ち良い風が入ってくる出窓に置いた状態でフィラックス公と目が合うように作られてるのが細かいな〜と感動しました。あの構図が描けるのは座り姿だけなので……

しゃお*
しゃお*

仕事を終えてフィラックス城を出る時は、特にコミカライズが顕著なんですがクリスティーナの砂糖菓子と心中でもしそうな雰囲気だったのに、蟄居中のシーンでは穏やかに過ごしているようでほんと良かったよ……

二つ目の旅の目的

アンは銀砂糖師になるべく旅に出て、結果なれなかったので来年の品評会に向けて修行の旅をしているわけなのですが、当初アンにはもう一つ目的がありました。

室長
室長

お母さんの魂を、銀砂糖師になった自分の砂糖菓子で送ること…?

そうですね。それが4話で「今の自分の砂糖菓子で我慢してもらう」と変わりました。

フィラックス公のお召しを終えたアンが昇魂日に向けて風見鶏亭で砂糖菓子を作る+αのお話が外伝『天国の銀砂糖師』で描かれており、その一部(作った砂糖菓子を携えて教会で祈りを捧げているシーン)が原作『青の公爵』のエピローグの代わりに8話に収録されています。

まず、序盤でアンが言っていた銀砂糖師になったらまず最初にやりたいことをしっかりと節目に入れ込んでくる構成に痺れましたし、フィラックス公が愛する存在が消滅してしまったという事実と向き合うお手伝いをするこの『青の公爵』のクライマックスが『天国の銀砂糖師』で描かれている昇魂日とぴったりすぎて唸りました……

室長
室長

絵的にもとても綺麗なシーンでしたねぇ。

8話は冒頭から光の演出がフルスロットルではありましたが、真冬の厳かな夜と教会、そこにある蝋燭と砂糖菓子ひとつひとつの光が、昇魂日という架空の行事を通して、美しくも残酷で現実的なシュガーアップル・フェアリーテイルの世界観を伝えてくれるシーンでした。

しゃお*
しゃお*

そしてそして、作中では初めてじゃないかな?
最後にシャルが、4話のエピローグとは違うすっごく柔らかい笑顔を見せてくれるんですよ〜!

あの感じ、もうお互い口約束の友達じゃないですよね。
アンとシャル、そしてミスリルも含めた三人の関係もフィラックスへ行く前とは明らかに変化してるのがしっかり分かって良かったです。

原作のエピローグにて

アニメではアンの名が広まったのを聞いたすぐあとに昇魂日のシーンに移るのですが、原作ではそのまま風見鶏亭でシャルとミスリルと食事をするシーンになります。
そのまえにちょっと一悶着あるのですが、それはここでは置いといて。

室長
室長

厳かな空間で穏やかに過ごすアニメのエピローグも良かったですが、原作はとても楽しそうでしたね。

その楽しい原作のエピローグには、シャルがアンを「かかし」と呼んでいた理由や、階段下で名前を呼んでからここ三日ばかり時々名前で呼んでくれるようになった理由について本人に言及しているシーンがあるのです……
かかし呼びは確か見たまんまの姿を呼んでいるみたいな感じだったと思うのですが、そのシャル視点ではなく、アン視点での意見が聞けるのでなかなか貴重かもしれません(笑)
そしてアンの中でのシャルとの関係の落とし所が決まって『青の公爵』終了になります。

最後に

さて、千クレスを拝領して年越しの宿代と十分すぎる生活資金、さらに思ってもない名誉を手に入れたアン。そして無事にエマのために昇魂日の祈りを捧げることができて一件落着——という状況で、次回の9話からは原作3巻『銀砂糖師と白の貴公子』の範囲に入ります。
『白の貴公子』は銀砂糖師編という大きな括りの最終巻になるのですが、果たして今度はどんな困難が待ち受けているのか……

そして第1クールも終盤です。
次回をお楽しみに。

しゃお*
しゃお*

久しぶりにシュガーアップル語れて楽しかった〜!
お疲れ様でした!

室長
室長

お疲れ様でした。

次回予告映像

by. KADOKAWAanime (YouTube)

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