
アンとシャルがラファルに連れ去られ、辿り着いた先はブラディ街道のはずれに建つうち捨てられた古い城砦—— そこは、妖精王となって妖精に自由を取り戻して人間に対抗するというラファルと、そんな彼に忠誠を誓い片羽を捧げた妖精たちが活動の拠点としている場所だった。
ラファルに命じられて銀砂糖の強奪や妖精の解放に協力させられ血を浴びるシャルと、その銀砂糖を使い、ラファルに捧げる砂糖菓子を作ることを命じられたアン。
違う種族が共にいるのは相手を不幸にするだけだとそれぞれ吹き込まれた二人は、相手の幸せと自分の中にある相手への想いの間で揺れ動く……
ラファルが作ろうとしている妖精の王国は果たして真実妖精の解放に繋がっているのか?
シュガーアップル・フェアリーテイル第23話『妖精王となる者』、はじまります。

前回から展開が重くて切なくて頭の中がじっとりしているよ。
まぁそういうところがシュガーアップルって感じで好きなんだけどさ…

“頭の中がじっとり”ってどういう状況なんだ……
この記事は、しゃお*とHEROと管理人がTVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』第23話を視聴して内容を軽く紹介・解説しながら、感想を楽しくお喋りしている記事です。
原作の内容も含みますので、作品のネタバレを回避したい方は、ぜひここでブラウザバックしてアニメを視聴、または原作を読むことをお奨めします。
そしてぜひ、そのあとに感想を分かち合いましょう…!
Contents
アニメ23話は原作第6巻『銀砂糖師と赤の王国』五章から

Story Introduction
第23話『妖精王となる者』
ラファルの支配に疑問を持たない妖精たちの様子に、怒り悲しむアン。
しかし羽を握られ逆らえない。
シャルは銀砂糖の強奪に協力させられ、アンはラファルに捧げる砂糖菓子を作らされていた。
しかも、ラファルから「人間と妖精とでは幸せになれない」と吹き込まれた二人は、どこかぎくしゃくして……。
23話は原作6巻の第五章『妖精王となる者』の途中までが収録されていました。

途中?!そんな…一章分丸々消化しなかったなんて…
まったくカットが無かったとか…?
カットも変更もありましたし、地の文でだけ描写されていたシーンが映像として追加されたところもあります。
今回はラファルの城でアンやシャル、妖精たちが何をさせられているのか、またアンと妖精たちとの関係やラファルとのやりとりがかなり丁寧に描かれていた印象でした。
また、今回もラファルとシャルのアクション作画がとてもカッコ良かったので、流しちゃったよーという方は再放送なり配信なりでぜひ(笑)

公式SNSでも切り抜き動画上がりそうだよね。上がってました!
それでは、23話について語っていきましょう。
今回カットまたは再編により変更されたシーン
- 事件を追う手がかり【追加/一部カット】
- ラファル様へ捧げる砂糖菓子【追加】
- 「また来ちゃった!」(かわいい)【変更】
- 暖炉前の切ないロマンス【変更/カット】
- 妖精たちのやりたいこと【一部カット】
- キースとジョナス【変更/一部カット】
- 建国の原動力【変更/一部カット】
- 「この人は、寂しいの?」【カット】

今回も一章分にしては多いです……

管理人、がんばって……
はい、頑張ります(笑)
例によって後ほど専用の段落でまとめてお話しする項目ですね……今回は、暖炉前の切ないロマンス、建国の原動力、「この人は、寂しいの?」です。
事件を追う手がかり【追加/一部カット】
原作6巻の五章『妖精王となる者』は、銀砂糖子爵ヒュー・マーキュリーとダウニング伯爵とその兵たちが襲われた砂糖菓子店の現場検証をしているシーンから始まりますが、アニメでは冒頭で犯行映像から流されます。
前回の砂糖菓子店襲撃は殺された後だったので真相は不明ですが、今回は銀砂糖をおとなしく渡しても口封じのために殺されるという残忍で用心深い手口が明らかになりました。
原作ではシャルは毎日返り血を浴びているような描写でしたが、このアニメオリジナルの犯行シーンではラファルの命令をお断りしていました。

断るのって許されるのか…
そして犯行直後、シャルはラファルや他三人の戦士妖精の目を盗んで銀砂糖の樽の一つに刀傷をつけ、城へ帰った際に雪が降り始めたことを憂うようなシーンもありましたね。
実はこれもアニメオリジナルで、このあとその砂糖菓子店へ現場検証に来るだろう銀砂糖子爵に向けてのメッセージだったことが分かります。

ヘンゼルとグレーテルかな?笑
確かに他の兵士やダウニング伯爵と違ってヒューが道端に落ちてる銀砂糖の輝きを見逃すはずがないと思ってるシャル、ヒューのことめっちゃ信頼してるじゃん。
Aパートのラストでシャルの目論見通り、現場検証しにダウニング伯爵と砂糖菓子店を訪れたヒューが銀砂糖を見つけていました。
そしてこのシーンの原作ではブリジットがラファルを買ったミルズフィールドの妖精商人のことについても言及されています。
アニメでも「お小遣いで買える妖精には見えない」「なぜ愛玩妖精として売られている」と言われて怪しまれていましたが、そこは回収されませんでしたね。
その妖精商人は実は家族全員を人質に取られてラファルの言いなりになり、結果家族全員殺されていたという末路を辿っていたと原作に記述があります。
ラファル様へ捧げる砂糖菓子【追加】
原作ではルスルとの会話シーンで、アンが二つほどラファルに砂糖菓子を作ったと説明がありますが、アニメではそのワンシーンが描写されました。
実際にアンが調子の悪い状態で作ったフィッフの駒はいつもの輝きがなく、むしろ3話で作ったエマの猿真似作品の方が綺麗に見えるほどではないかと思う出来です。
そしてシーンになったことでラファルとアンの会話も見ることができました。

壊されたのは原作に記述があったけど、まさか「別の銀砂糖師が必要か?」とか言って脅されていたとは……そんなんじゃ作れるもんも作れんわい!!(プンスコ
「また来ちゃった!」(かわいい)【変更】
砂糖菓子を作り直そうとするもいまいちテンションが上がらないアンの元へ、ルスルがやってきました。
「アーン! うふふっ、また来ちゃったぁ♪」はアニメオリジナルの台詞です。可愛いですね。非常に可愛い。
そして砂糖菓子整形の道具などが並ぶ机の上を行ったり来たりしながら、暖炉の前に座るアンと話をしますが、原作ではシャルもいてほとんどシャルと会話をしていたので、アニメで机の上にある銀砂糖に触れる前の会話内容はシャルとルスルの会話を踏襲しています。
ルスルがアンの部屋に遊びに来る理由として、原作では「この部屋はうっとりする。アンも可愛いけどシャルはとても素敵だわ。見ていて飽きない」という話をしていますが、アニメではそもそもシャルが不在の時間帯から来ていてその話はしていないので、理由は不明です。
アニメのシャルはルスルが頻繁に来ていることを把握しているような口ぶりだったので、在室時にルスルがいて同じ話をしていたのかもしれませんね。

シャルとルスルの会話は聞いてみたかった気がしないでもない。
また、ルスルに砂糖菓子を作ってあげたアンを見て「おまえはとにかく銀砂糖を触っていたら機嫌がいいな」とシャルが笑う非常に良い雰囲気なシーンが原作にあるのですが、それもアニメではシャルが帰ってくるのがルスルと入れ替えだったため、残念ながらカットでした。


そういえばアンがルスルのために作った砂糖菓子、実の内側がなんかブリリアントカット?なのか、別のなにか工夫があるのか、ただの球体じゃないみたいに見えてすごかったよね。

たしかに!
ここにシャルがいないのが残念だったけど、この砂糖菓子見れただけでも満足度高いわー…
わたしは自分の体ほどの大きさの砂糖菓子を持ち上げて一生懸命走るルスルちゃんが可愛くて満足度高かったです。
原作では「嬉しそうに出て行った」としか記述がなかったので、まさかあんなに可愛かったとは……
妖精たちのやりたいこと【一部カット】
「海が見てみたい。まだ一度も見たことがない」
その言葉を皮切りに、口々にやりたいことを言う妖精たちのシーンですが、アニメでは海の話題のみに絞られていました。
他は、いい女(貴石の女)を探しに行きたい妖精や一緒にいた仲間を探しに行きたい妖精が原作で明らかになっています。
また、海を知らないルスルに他の妖精が海の説明をしてあげる台詞が原作とは若干変わっていました。
原作では「ハイランド王国がすっぽり入るくらいにでっかい水たまり」と説明されていましたが、アニメでは「どんな王国よりも広い、塩辛い水たまり」と言っていましたね。

妖精は味が分からないのにあのドヤ顔は面白かったね。

そこ笑うシーンではないと思うよ、しゃおさん(笑)
キースとジョナス【変更/一部カット】
庭で夜空を見上げながら物思いに耽るキースにジョナスが声をかけ、アンが帰ってくるかどうか、そして今後どうするのかを二人で話すシーンです。
原作では「もう寝たら?」で本当に寝る前よろしくジョナスは湯気の立つカップを持っており、体を冷やさないようにキャシーが外套のフードを被せようとしていますが、アニメでのジョナスの第一声は「ヒングリーさんが組み上げに入りたいって」で彼はいつもの服装なので、みんながアンの分も夜遅くまで仕事をしている様子が伺えます。
また、ここはキースの視点でほぼ原作通りなのですが、アニメではキースがぼんやりしがちでキャットに叱責されていたことや、ミスリルに不安を打ち明けると「シャル・フェン・シャルがいるから大丈夫だ」と断言されたこと、そして最後にキース自身が今後どうなるのか示唆された台詞の三点がカットされています。

ここのキースの台詞がカットされたことによって続編は無いかもしれないと落胆した原作勢をよく見かけました。
わたしも…そう思いました…
というところで、今回の再編は以上です。
それでは本編行きましょう。
今回新しく登場したキャラクター
なんと、22話のアニメ感想らくがき(カットスケッチ)で描いたものが役に立つとは…(笑)
戦士妖精A(cv:石谷春貴)

薄い赤毛にクリーム色の大きな羽を持つ男の戦士妖精。
一際体格が大きく、シャルより頭一つ半ほど背が高いため大変に新鮮な構図を作ってくれる。
気が弱そうに見えるが、実はラファルに物申す勇気の持ち主。
シャルにアンへの言伝を頼んだ際、シャルが一瞬柔らかい笑顔を見せたのでびっくりした。
自由に行動できるようになったら海を見てみたい。
戦士妖精B(cv:山本祥太)

赤色の瞳と薄黄緑色の羽を持つ男の戦士妖精。
身長はシャルより少し低いくらいで、声が結構ダンディー。
アンが最初に「見たことある」と想像していた戦士妖精は多分こんな感じ。
アンから砂糖菓子を受け取った際、怒ってると勘違いされるほど仏頂面。
ルスルがシャルにアンの行方を口走ったのを焦って止めたシーンを見るに仲間想いな性格なんだなと思いました。
戦士妖精C(cv:草野太一)

薄い紫色の髪と紺色の瞳、薄緑色の羽を持つ男の戦士妖精。
身長はアンの胸くらいで子供の姿。
人の手を離れてラファルに羽を捧げている状態を”自由”だと認識している。
言葉遣いは剽軽な感じで、海を知らないルスルに「どんな王国よりも広い、塩辛い水たまりみてーなもん」と説明した。
職人(cv:坂田将吾)
冒頭で銀砂糖強奪の被害にあった砂糖菓子職人。
ラファルの命令で戦士妖精Aが命を奪った。

チェンソーマンと転天でメインキャラを演じた方がちょい役しかも殺される役に(笑)
ありがとうございます。めっちゃ怖そうでした。
私、戦士妖精に分類される妖精って強さはまちまちだとしてもみんな武器(剣だけじゃなくて弓とか槌とかも)を作り出す能力を持ってると思ってたんですが、違ったみたいですね。
武器を作り出す能力を持っているのは貴石から生まれた妖精だけで、他は後からしつらえた武器や防具をつけて戦う……とすると、彼らは何をもって戦士妖精に分類されたのでしょうか…

確かに……
能力じゃないとすると性格かな?好戦的かそうでないか、とか?

シュガーアップルの物語中で描かれず三川先生の中にしかない細かい設定とかものすごい興味あるわ……
暖炉前の切ないロマンス

再びこの同じカットでくどいようですが、暖炉前でアンとシャルが一線を踏み越えようとしたけれどラファルの言葉を思い出してお互いに距離をとってしまう、このシーンです。
アニメではアンが暖炉の前の絨毯上、シャルが暖炉の横の壁際という配置で、部屋に入ってきたシャルが迷いなくそこに直行したことから、そこが基本位置なんだろうと推測できます。
しかし原作ではシャルもアンと同じ絨毯上で隣り合って座っていて、アニメより普段の距離が近めです。

なんか23話放送前に、火の前で男女が近くにいるのはどうのこうの言ってたやつですね(笑)
アニメでこの配置に変わった理由でまず思いつくのは、このシーンで隠された原作のシャル視点を演出で表現するため、でしょうか。
アニメではアンは暖色でシャルは寒色の背景や光に囲まれていることが多い感じがしていて、それがお互いの体温の違いとか種族の隔たりとかそういうのを表しているのかな、と思っておりまして。
今回も暖炉のそばでアンの顔が見える位置ではあるけど火の熱や色は届かない冷たく陰になったところに座っていますし、原作にある通りシャルがアンの「幸せになってほしい」という言葉を聞いて感情が動くタイミングで自分から暖色のエリアに入ってくるという演出で、アンと自分の間にある隔たりを見ないふりをして心を重ねようとしたのを表しているのかな……という考察です。

原作のシャル視点はそれだけじゃないよね。
そうですね。アンが少し身を引いた瞬間とそのあとにシャルの考えていることが書いてあります。
アニメでは表情ひとつ、眉ひとつ動かなかった彼がいったい何を思ってアンから距離をとってしまったのか……詳しくは原作6巻をどうぞ。

しかし…!!!!シャルの「アン」って声めちゃくちゃ良かったね〜!!!!

急にテンション上がるじゃん(笑)

いやいや、一回目の呼びかけもいつになく優しい声だったのに二回目は……なんかもう聞けば聞くほど心臓痺れる……
演出だけじゃなくて声優さんのお芝居でもシャルがアンのこと好きでたまらないっていう気持ちが溢れてるよ……
歪んだ黄玉石と真っ直ぐな黒曜石
Bパート序盤、ラファル一派は妖精市場を襲撃して仲間を解放していました。
原作ではそのあと返り血を流しに井戸へ向かうシャルに戦士妖精の一人が話しかけてアンへの伝言を頼んでいますが、アニメでは襲撃した妖精市場から帰る前に変更されていました。

話しかけたのも戦士妖精Aだということがアニメで明らかになりましたね。
そしてラファルが今後の活動方針をシャルに伝えてシャルがラファルの本心を見抜くシーンも、原作で井戸だったのがアニメでは明日襲う予定の村を見渡せる崖の上に変更されていました。
束の間の癒し
シャルと戦士妖精Aが話すシーン……アニメではなんだか普通に話しかけたように見えましたが、原作では「彼らから声をかけてくることは滅多にない」「シャルを少し恐れている様子もある」と記述があります。

そんなにおっかなびっくり話しかけてる感じでもなかったね。
シャルも原作ほど怖そうな表情してなかったし。
原作では地の文で説明があったのでアニメでシーン挟まるかなーとは予想できていましたが、砂糖菓子を作るアンを定位置から眺めているシーン、ありましたね。
モノローグは「まったく。いつもいつも」から「誰に作っているかと思えば」に変更されていました。
シャルはアンがラファルに砂糖菓子作りを命じられていることを知らないわけはないと思うので、アンがいつも作っている砂糖菓子がラファル宛てではないことが見て分かっていた、ということですね(笑)
また、原作通り砂糖菓子を作るアンを思い出して少し笑う癒されシャルも良いのですが、このシーンで特に良いのは戦士妖精Aを見上げて話すシャルという珍しい構図です。
このあとのシーンでもまた別角度で出てきますが、ここの画角が一番良い……これを提供できる体格を持つ戦士妖精Aはもっと評価されるべきなんですよね。

管理人それずーっと言ってんね(笑)
建国の原動力
さてここですねー…。アニメでは妖精市場襲撃で成功を収めたあと、城へ帰る前にラファルがシャルを連れて別行動をとり、明日襲撃する村を崖の上から見下ろしながらこれからの活動方針を話します。

原作では違ったんでしたっけ…
原作ではシャルが地下にある井戸で返り血に汚れた服を脱いで頭から水をかぶり身体を清めるシーンが挟まり、洗われた服に着替えて髪を拭いている最中にラファルが現れてアニメでも話していた内容を話し始めます。
ここ、白い息を散らして水をかぶる上裸のシャルが見られると思って地味に楽しみにしてたんですけどねー……前回水辺で濡れた姿で佇んでいたシャルが着衣だったことで「ああ、ここのシーンもやらないんだな」と察しましたが(笑)

さすがにシャルの上裸はセンシティブすぎたのよ(笑)
そういうのは生まれた時の描写含めても妖精の女性しか描かれてなかったよね。
はい。それでは気を取り直してラファルがシャルに話した内容に触れていきますが。
原作ではまず「水など浴びずにそのまま部屋に帰ってはどうだ?」と、血濡れの姿をアンに見せて住む世界の違いをシャル自らが分からせればいいという趣味の悪〜いことを提案しています。
アニメでは実際に村を見下ろしながら「ここを領地にし、この地から妖精の国を取り戻す」と話しているのですが、原作では村の様子を言葉で説明しています。
その際に人口や周辺の環境、外部との接触の状況、そしてそこに住まう人間の様子などを事細かに説明されていて、ラファルの情報収集能力に薄ら寒くなったのを覚えています。
アニメで実際にその姿が映った、いかにも平和そうな農村。
そこに住まう人々は、まさか今この時、崖の上から危険な思想を持つ妖精に照準を定められているなんて思ってもいないでしょうね。

こっわい…
そしてこのあとの、その農村を見つめる残酷な表情からラファルが建国の本当の原動力にしているものをシャルが見抜いて「報復や支配は妖精王となるべき者の楽しみではない」と責めるシーンは、馬に乗っていることを除けば台詞の言葉選びまでほぼほぼ原作通りです。
アニメではそこまで語られていませんでしたが、シャルにもラファルの心を支配している屈辱や憎しみと怒りには覚えがあると、シャルがラファルの気持ちを理解するような文が原作にあります。
自分が生まれた意味も知らない状態で人間に使役されたシャルでさえその行いにどれほど憤っていたのか、第1クールから見てきた方々はよく分かっていると思いますが。
ラファルは自分が生まれた意味を理解した状態で人間に使役される身になり、しかも仲間の妖精に裏切られてそうなってしまったのかもしれないという事実…これはこの行動になるのも無理はないと言いますか。
いや、まぁ戦争するのは良くないんですけどね。
悪役には悪役なりの理由がちゃんと存在するんですよね。
ラファル様、粛清のお時間です。

怪我をして帰ってくる戦士妖精たちのために砂糖菓子を作っていたのが、ラファルにバレました。

ここから先のシーン、まじでおっかなかった……ちょっと彩度の落ちた仄暗い演出からラファル役の斉藤壮馬くんの演技から何からほんと……怖かった……

怖かったとかいう顔じゃないよね。
恐怖感情よりアニメの表現に興奮する感情の方が勝ってるでしょ…?笑

バレたか(笑)
アンの腕をものすごい力で掴み上げるときの表現も、ルスルの「そのお嬢さんをどうなさるおつもりですか」の声の震え具合も、不愉快な表情で振り返って妖精たちを見据えるラファルも、部屋に放り込まれて思っていたより激しく転がるアンの作画も、とても良かった……
ラファルの部屋
原作・アニメともにアンが連れてこられたのはラファルの部屋です。
アニメでは寒々しい室内に、質素ですが主人の部屋であると分かる、数段上がったところにある背もたれの高い椅子、その後ろの窓辺に置かれている錠付きの箱……そのくらいでしたが、原作では火の気がなく寒いものの、金具で装飾された家具や大きなベッド、毛織りの敷物などかなり豪華な部屋である印象でした。
シャルのために用意した部屋も「こんな粗末な部屋ではない」とは言っていたのですが、アニメではラファルの部屋と同じような無骨で寒々しい部屋だったのでしょうか(これは原作でもアニメでも描写がないので永遠に謎です)。

Aパートでアンがフィッフの駒の砂糖菓子見せてた部屋と同じ部屋だよね?
原作のイメージがあったし、最初そのシーンで見た時はまさかラファルの部屋だなんて思わなかったよ…
この人は、寂しいの?
このシーンはほぼ原作通りなのですが、一点、見出しにある言葉をアンがモノローグで言っているのがカットされています。
原作では、アンは語りながら近づいてくるラファルの声に絶望に似た響きを感じ取っていて、彼がシャルを仲間にしたいと思った経緯を少ない情報から推測し、自分が最初シャルの羽を握りながら友達になりたいと願ったのと同じだ、と結論づけているのが地の文で描写されています。

アンの砂糖菓子の作り方に通ずるものがあるよね。
この洞察力というのか、共感力というのか…

もしこのシーンのあとにラファルのための砂糖菓子作ったら、ちゃんと作れたんじゃないかなって思うくらいにアンがラファルに寄り添い始めた…
その考えを持った状態で次の、アンの首に糸を巻きつけてアンの目の前にしゃがみ込むラファルのシーンを見ますと、引きの絵だったのでなんとなくそう見えただけかもしれないですが、アンがラファルを目で追う動きやその横顔の表情が、その前のシーンでカットされた「この人は、寂しいの?」を言っているような……そんなふうに見えました。
ルスルの表情変化
原作ではラファルが「おまえが邪魔だ!」とアンを殺しにかかるところでの場面転換ですが、アニメではラファルからシャルの正体を聞いたアンが「妖精王!?」と驚いたところで、部屋に帰ってきたシャルの場面に転換します。
ここはシャルが、口を噤むルスルと戦士妖精たちにアンの居場所を問いただすシーンなのですが、アニメでは原作+αで、アンから貰った美しく光る砂糖菓子を持ったまま立ち尽くす戦士妖精の姿と、シャルの言葉を聞いて葛藤するルスルの表情変化がとても丁寧に描かれていました。

「アンがおまえたちに何をした?」がよく分かるコンテで涙出そうになったわ…
そうですね。この時、彼らは初めて自分たちで行動の元となるものを考えたのでしょうか。
次代の妖精王の一人であるシャルの言葉だけでなく、人間のアンが彼らのためにした行動の結果が彼らの判断に影響を及ぼしているのを見て取れるのがとても良かったです。
ラスト2分のアクションシーン
ラファルが登場してから(最初は砂糖菓子職人を襲う賊としてですが…)シャルが剣で戦うシーンがたくさんあってとても眼福な管理人です(笑)
いやはや、ここはシャルだけでなくラファルの作画も最強に良かったですよね。
アンに向かって糸を投げるアニメーションと表情がなかなかにクールで見惚れてしまいました。

ものすごい速さで入室した瞬間にシャルがラファルの喉元めがけて剣を振るのも、それを間一髪で避けるラファルも、シャルが着地ついでにアンの首にかかってる糸をぶった斬るのも全部かっこよかった……

確かに確かに。
そしてアクションシーンなのでまたHERO君のテンションが上がってきているー!笑
アクションだけでなく、話をするだけのシーンでもラファルもシャルも顔の表情やら身体のジャスチャーやらすべてがぬるぬる動いていて、制作スタッフの気合いと時間のかけ方がえげつないな、と思いました。
シャルが来る前からそうでしたが、重要な話をしているのに作画の良さに気を取られて話が頭に入ってこないという新感覚(笑)

なんだそれ!
でもちょっと分かるから悔しい(笑)
そしてラストですね。
ラファル戦でよく流れている裏拍と不協和音が特徴的なBGMに乗せて、何かを決意した表情で逃げるアンと、羽を強く握り込まれた状態で汗を滲ませながらラファルを睨むシャル……
そして、公式SNSからカットをお借りしております、史上最強に邪悪な笑みで見下ろすラファル兄さんのカットで23話は終了しました。
最後に。
これ、あと1話で終わるのか?(笑)
みたいなところで終わりましたね。23話。
原作確認しながら見てたら終了時点でまだ五章三分の一くらい残ってましたよ…(笑)
とりあえず24話(最終話)のタイトルが『新しいかたち』で6巻七章のタイトルなので、きちんとラストの新聖祭までは行くんでしょうけど……まぁ21話の時に三章分を一話に、しかもOP,EDは削らずに収めた実績があるので、やってやれないことは無いのかもしれませんね。
教会に砂糖菓子を飾るシーンなどは『赤の王国』の最初の方と違ってダイジェストでお送りしやすいところでしょうし。

ラファルとの決着以外で残ってるのは新聖祭の砂糖菓子が間に合うのかって話と……いやそれは良いとして、あとあれか、ペイジ親子&婚約者としてのエリオットの亀裂がまだ残ってるのか。
そこは何らかのエピソードが組み込まれるだろうね。さすがに。
はい。ラファルとの決着がどのように着くのか、工房での仕事の方はどうなっているのか…気になることがたくさんな最終話です。
そして。第1クールからこれまで小さな変更はあれど原作通りに事が進んできたアニメシュガーアップルですが、続編が無い状態で原作通りに締まるとアンとシャルのロマンスは大変に不完全燃焼に終わります。
今回Aパートの暖炉前のシーン以降、シャルはしばらくアンに触れるどころか第2クールで近づいた距離感でいることすら躊躇うようになってしまうのが原作の流れなので、予告の手を繋いでいるカットからなんとなく原作通りではなく、アニメ独特のふわっとした締まり方をしそうな雰囲気も漂っているような…?
とりあえずアンの銀砂糖師としての仕事やペイジ工房の人間関係、只今勃発中のラファルとのいざこざに一区切りつけやすいいわゆる“俺戦END”を一番やりやすいところが6巻ラストだと個人的には思ってるので。
その辺も含めて、原作通りのラファルに掻き乱されたロマンスを再編でどんなふうに締めてくれるのか、全体的にもどんなエンディングを見せてくれるのか……
そんな感じでアニメオリジナルで締まる可能性も考えつつ、原作通りの着地を期待して次週の最終回、そして続編制作情報を待とうと思います。

それでは、また来週ー!

お疲れ様でしたー!
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