
アン率いるペイジ工房は、大切な長グレンのために作りたいという気持ちで結束し、光を計算に入れた雪の砂糖菓子で見事選品を勝ち抜いた。
そして工房を立て直すのがシャルの羽を返してもらう条件だとアンだけでなく視聴者の誰もが信じて見守っていた中、羽は返却され、エリオットから思惑が明かされる。
アンに期待されていたこととは、手詰まりを感じて動けなくなっていたペイジ工房が再び立ち上がるために新しい一歩を示すこと。
彼らが言うところの最初の銀砂糖としての役割を担うことだった。
エリオットやグレンの期待に応えて、自らも職務から解放されたアン。
シャルの自由を取り戻し、自分の力で銀砂糖師になった。そんな彼女が選んだ次の一歩は……?
そして、自身の中で知らぬ間に芽生え育ち始めていたアンに対する特別な感情に気づいたシャルは——

更新遅れてごめんね。
それでは、17話『紋章なき城』始まります。

今回はHERO君が夏季休暇をとっているため、私がアシスタントを務めます。
どうぞよろしく。
この記事は、しゃお*と室長と管理人がTVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』第17話を視聴して内容を軽く紹介・解説しながら、感想を楽しくお喋りしている記事です。
原作の内容も含みますので、作品のネタバレを回避したい方は、ぜひここでブラウザバックしてアニメを視聴、または原作を読むことをお奨めします。
そしてぜひ、そのあとに感想を分かち合いましょう…!
Contents
アニメ17話は原作第5巻『銀砂糖師と紫の約束』一章から

Story Introduction
第17話『紋章なき城』
選品の作品が評価され、ペイジ工房は新聖祭の砂糖菓子制作を任されることに。
シャルを自由にすることができたアンだが、自分の意思でペイジ工房に留まり、新聖祭の仕事をやり遂げる決意をする。
砂糖菓子制作作業のため、ホリーリーフ城へ移動したアンたちだったが、その城は怪しい雰囲気で……。
17話は原作5巻の第一章『紋章なき城』と第二章『愛玩妖精』、そして第三章『幽霊なんかこわくない』の前半よりブリジットとアン、シャルとグラディスの会話シーンが収録されていました。
今回は新しい章の1話目にあたり、そういう回は新しい情報が次々出る関係でストーリーの面白さとしては沈みがちな印象があるのですが、そんなことはなく。むしろめちゃくちゃ面白かったですね。

分かります…私はこの作品に関してはアニメ見てからその部分の原作を読んだんですが、それでも体感5分でした。面白くて。
もしかして『紫の約束』って原作めちゃくちゃ面白いですか?

グモンですねぇ室長。シュガーアップルの原作はどれも面白いのですよ。
試合の合間の修行パートさながら、ペイジ工房とアンそれぞれの誇りを賭けた”選品”という一山を超えて「さあ新聖祭本番の砂糖菓子作り頑張りましょう」と次の山場へ向けて職人たちが地道な作業に取り掛かるパートですね。
しかしその裏で前巻『緑の工房』で放置したところから大きな騒動の芽が育っていたり、後々の伏線になるような出来事が描かれていたり、ちゃんと独自のテーマがあったりと、平坦ながらも目の離せないシーンが続くと思います。

大事な記述だいたい紫に書いてあったりするもんね。
それでは、そんな『紫の約束』範囲の1話目感想を語っていきましょう。
カットされたシーンと再編により変更された部分
- 秀才たちの怪談話→長が語る歴史
- ホリーリーフ城の賃料
- ブリジットを気にする職人たち
- 「キスしてやろうか?」の舞台裏
- アンとミスリルが遭遇したホラー現象
- ホリーリーフ城に来る前のブリジット
- 「幽霊がいる。確かだ」
- “イズァラン”
- 銀砂糖子爵の監視と一万クレスの罰金

今回はシーンのカットこそ少なかったけど、会話劇のキャスティングが変わったりして原作とは違う印象になっていた箇所が多かった気がします。

そうですね。あと設定が変更されたと思われる箇所も書き出してみたら結構多かった…
秀才たちの怪談話→長が語る歴史
17話冒頭でホリーリーフ城がどういう城館であるのかを王家の歴史とともにグレンが語り、国教会が名前を伏せる理由として「王家に皆殺しにされたチェンバー家の幽霊が出る」という話。
色んな意味でテンションの上がるナディールとミスリル、アンを横目に「ただの噂だ」と一蹴したグレン、冷静に「不吉だ」と観察するキングとヴァレンタイン。
そんなシーンなのですが、原作ではヴァレンタインが学生の頃に知った有名な怪談『聖ルイストンベル教会の七不思議』の『呪いの城』という設定で紹介されていました。
ミルズランド王家が接収、国教会に寄進、その後放置され続けているという内容は同じです。
職人たちの反応も怪談ということでアニメより幾分テンションの高いものとなっています。

アニメではオーランドだけ映らなかったけど、原作で書かれていた「少し顔色が悪いかもしれない」はちょっと見たかったかもしれない(笑)
ホリーリーフ城の賃料
アニメでは国教会が無償で貸してくれた、となっていましたが、実は原作では賃料が発生しています。
大きいけど些細な設定変更ですね。
賃料は一年単位で千クレス。
実際に使うのは二ヶ月ですが、千クレスでルイストンに城ほどの広さの建物を借りられるなんて滅多にないということで、相談を持ちかけたアンとエリオットはこの話に飛びついた、とのことです。

いや、あれだけ荒れ放題になるまで放置してるのに賃料取るとか、ちょっと…原作の国教会阿漕すぎないですか?笑

それは確かに…笑
いやしかし飛びついた二人見たかったなぁ…!
ブリジットを気にする職人たち
荷物を下ろしている時、原作ではアンがエリオットに「ブリジットさんはどうしたんですか?」と訊いて彼女の所在が明かされたのですが、アニメではキングとナディールがその会話を受け持っていました。
原作でアンが受け持っていた時には「今どこで何をしているのか」「心配じゃないのか」などのやりとりがあったのですが、そこにアンが加わらないだけで良くて雑事、悪くて仕事の気を散らす厄介ごと、みたいな扱いになってしまっていましたね。
でしゃばりすぎない程度にさりげなく存在だけ気にかけるキング、あくまでも対応はエリオットの仕事だと言いたげなナディール…ヴァレンタインは台詞がなかったので推測ですが、やはり自分には関係ないという態度を貫いてるのでしょうか。
オーランドは努めて気にしないようにしていて、他の三人はそれを察して突っ込まずにいるという印象です。
ちなみにアニメではカットされていましたが、エリオットはブリジットの居所を突き止めて迎えに行ったものの同行は拒否されたという経緯があります。
対応が冷たく見えますが、それでもブリジットのために時間を割いていて、まったくの無関心というわけではないのですよね。でも婚約者にばかり構っていられない落ち目の工房の長代理は大変ですね。

まぁそれでも雑事の域を出ないんだろうね。
なんか複雑…
「キスしてやろうか?」の舞台裏
謎の声を聞き「チェンバー家に呪われた」と騒ぐアンを落ち着かせたこの言葉。
アニメでは落ち着いた直後にエリオットから呼ばれたアンの背を笑顔で見送り、そのあとすぐに紫色の影を追ったので流されてしまいましたが……いや、もしかしたら原作でもこのくらいの尺だったのかもしれませんが、あのシーンの間でシャルはアンを見送りながら、そして後ろ姿を見つめながら、あのような言葉を言った意図や自分のアンへの気持ち、アンの外見の変化をぼんやりと考えています。

なんかここの原作読んだ時すごく生々しく感じたんですよねー。
なんでしょう、私が対象年齢と思われる年代よりかなり上だからですかね?

どうなんでしょう…
でもアニメだとシャルがあんなことやこんなことを考えてるなんて一ミリも伝わってきませんからね!笑
シャルの感情の変化に悶えたい人はぜひ原作を読みましょう。
アンとミスリルが遭遇した怪奇現象
夜、アンがミスリルを部屋に招いて添い寝してくれとお願いしているシーンにもカットされたところがあります。
アニメではミスリルが「今から俺が頼んできてやる!」と走っていくのをアンが止めて騒いでいる声を聞いてシャルが来る、といった流れになっていたのですが、原作ではここで怪奇現象が起こります。
窓も開けていないのに蝋燭の炎が風に煽られたように横になびき、突然明かりが消えたかと思ったら誰かの呼吸音が聞こえ、瞼の裏にとある光景が映し出される、というシーン。
ミスリルはただ突然蝋燭が消えただけで、呼吸音と光景を見たのはアンだけです。
それが今後何回か起こるので、「銀砂糖師の娘よ よく来た」という謎の声が聞こえる展開があったことを考えると、次回以降カットされずにやるかもしれないですね。
原作ではこの怪奇現象に対してのアンの悲鳴を聞きつけてシャルが来る、という流れです。

私、アンと同じくらいの年の頃によく金縛りにあってたんですが、そのときにそれと似た現象を経験したのでちょっと怖いですね…

ファンタジーじゃなかった…!
ホリーリーフ城に来る前のブリジット
アニメではカットになっていましたが、原作ではアンとミスリルのシーンと翌朝の間、皆が引っ越して誰もいないペイジ工房の母屋で荷造りをするブリジットと、“彼”と表記されたブリジットに寄り添う男性キャラのやりとりが意味深に描かれています。

えええー!!!!婚約者のある女性に馴れ馴れしく…誰ですかその人…!!!!
わざとらしい反応ありがとう(笑)
彼=グラディスですね。
Bパートの一人寂しく月を見ているシーンの「わたしはたぶん、誰でもいいんだ……」は、原作ではグラディスに優しくされて嬉しくなってもなぜかすぐにむなしくなるのを自覚したモノローグから持ってこられている台詞です。
「幽霊がいる。確かだ」
正確には「何かがいるのは確かだ」ですね(笑)
退治を買って出たのは原作でも同じミスリルですが、紫色の何かを見たか職人たちに尋ねたのはシャルでした。

発言を改竄して伝えてシャルに小突かれたミスリル可愛かったですね。
また、原作のこのシーンで「ちゃんと鍵をかけても何故か開いている」という証言から「建てつけが悪いんだね。ハルに見てもらう?」という会話があります。
原作のハルなら厨房の釜戸も自分で直せそうですね。
“イズァラン”
ヴァレンタイン曰く、二十年ほど前まで大陸の東にあったイズァラールという王国の人々を指す言葉だそうです。
ナディールの親族の出身国で、ヒューの護衛のサリムも同郷だという話です。
ヒューが視察にきた際に付き従っていたサリムを見たナディールがその話をして、アンが彼が送ってきた生活や自分が母親と送ってきた旅生活に思いを馳せるシーンなのですが、これはアニメでは全カットでした。

ヒュー&サリムと対面したときにナディールだけ見てるところ違うとかあるかなーと思ってアニメ見直してみたけどそんなこともなかったな。完全なカットだったわ。
銀砂糖子爵の監視と一万クレスの罰金
抜き打ちで監視がつく件について、そしてペイジ工房に何かあればマーキュリー工房の砂糖菓子が使われて報酬は入らない件の二つは説明され、反応的に長代理のエリオットも知らなかった感じになっていましたが、原作では少し違います。
原作では、満場一致ではなく順位がついていたので、一番評判の良かったペイジ工房で見込み通りの砂糖菓子ができないと銀砂糖子爵が判断したときは、納品に間に合ったとしても選品で2番目に評判の良かったマーキュリー工房の砂糖菓子が使われ、そのうえ一万クレスの罰金が付くとのことです。
そしてエリオットはそのことについては把握しており(アンはアニメと同じく知らなかった)、銀砂糖子爵の監視がつくことを知らなかった理由に「今まで選品に参加したことがなかったから」と言っています。

結構細かく設定の変更が加えられているんですね……
ちょうど良い塩梅の情報量って大事です。
というところで、細かく出せばもっと出るのですが、大きな違いはこのくらいですね。
今回のカットされたかもしれないシーンはこの辺にして、本編行きましょう。
今回新しく登場したキャラクター
グラディス(cv:斉藤壮馬)
ペールグリーンをベースに毛先に向かってオレンジのグラデーションが入った、ゆるくうねる肩下くらいまでの髪と、ブルーグリーンの瞳。長身で白を基調とした優雅な衣装を身にまとい、背にはシャルと同じ柔らかく美しい片羽を持っています。
けぶるような曖昧な色合いと雰囲気が幻想的な、オパールから生まれた妖精で、同じ貴石のシャルとは逆に近づいて触れることを許してくれそうな気がする優しい笑みを湛えています。
遅れてホリーリーフ城にやってきたブリジットが近所の子の家庭教師をして少しずつ貯めたお小遣いで買った愛玩妖精として共にホリーリーフ城へ連れてこられました。

PVでピックアップされてたシーンからは優しいなんて思わなかったけどね!笑

明らかに怪しげでしたよね(笑)
確かに。原作ではエリオットやシャルから「お小遣いで買えるような妖精には見えない」と言われ、妙な事情がありそうなことを匂わされています。
前回登場した赤い髪の妖精も斉藤壮馬さんが担当されていますので、繋がりが気になるところです。

担当声優の斉藤壮馬さんは改めて紹介する必要がないほど、毎年メインキャラクターを複数担当されている有名な方ですよね。
誰もが一つは斉藤さんが出演している作品に触れたことがあるのではないでしょうか。
謎の声(cv:野島裕史)
泊まる部屋で一人荷解きと掃除をするアンにのみ聞こえた男性の声。
今のところ姿は見えず、台詞も「銀砂糖師の娘よ よく来た」という呼びかけのみです。
チェンバー家の幽霊なのか、シャルが見たという紫色の何かなのか、次回明かされるのでしょうか?
担当声優の野島裕史さんはなんと2000年からTVアニメ等に出演されている大ベテランで、お父様と弟様も声優をされている声優親子としてもそのお名前が有名です。

初めてお聞きしましたが、すごく優しい素敵なお声ですね…

私たちが知っているところだと『鬼滅の刃』竈門家祖先の炭吉役、『黒子のバスケ』伊月俊役などが有名ですね。
声の正体が楽しみです。
ホリーリーフ城という舞台について
さて、17話冒頭ではペイジ工房一行は大荷物を携えて王都ルイストン近郊に建つホリーリーフ城に来ていました。
新聖祭の砂糖菓子を飾る会場はルイストンにある聖ルイストンベル教会。
ペイジ工房はルイストンから馬車で半日の距離のミルズフィールドにあり、原作ではわずか半日と記載がある通りあの世界ではそこまで遠くはない方なのですが、雪の砂糖菓子は繊細で運搬中に壊れる危険も大きいため、制作場所を一時的にルイストンに移したのでした。

だから病気のグレンさんや妖精たちも一緒に来たんですね。
でも全然制作に関わらないブリジットが一緒に来なきゃいけないのはどうしてなんでしょ?

家事をやる妖精が一緒に引っ越しちゃうので不便ですし、一人で残るのは不用心というか危険というかだからじゃないですかね。
ミルズフィールド-ルイストンの街道で危険な妖精が出没してて、銀砂糖師を探してる風だったので香りを辿って工房まで来ないとも限らないですし。
まぁそんなこんなで、制作場所というよりも生活の拠点を二ヶ月間だけ移した、という感じですね。
原作では一年で千クレス、アニメでは無償で国教会から借りたルイストン近郊の広い場所ということで、条件的には最高なのですが、しかしその実態は手入れもされず放置され幽霊城と噂されるチェンバー家ゆかりの城館でした、と。
チェンバー家というのは祖王セドリックの血筋に当たる三つの家系の一つで、十五年前に現王エドモンドに対し反乱を起こし負けて皆殺しにされた一族です。
ちなみにあと二つは現王族のミルズランド家、そして第1クール6話〜8話に登場したフィラックス公爵のアルバーン家です。
埃だらけの館内のところどころに残る内乱の傷跡が痛々しく、肖像画や内装は顔や紋章部分が雑に剥ぎ取られているという徹底ぶりが曰く付きの建物感を際立たせています。
肖像画については額ごと外して燃やしたら良かったのでは…と思いますが、そこを丁寧にやらないところに恨みがこもっているというか何というか。

作中でもキングやヴァレンタインが言ってるけど、新聖祭の砂糖菓子を作る場所としてはふさわしくないよね。
国教会はいいのかよそれで…ってなった(笑)

ただの噂に困ってるなら手入れくらいしておくべきですよね。
あの様相じゃ噂が真実だって言ってるようなものですし。
幽霊に怯えるアン

そんな曰く付きの城館を前に原作の台詞では「大丈夫!独りで住むわけじゃないし!」とから元気で荷解きを始めたアンですが、寝泊まりする部屋は一人部屋だと分かると途端に怖くなったようです。
第1クールから今まで、一人で旅に出たり油断ならない戦士妖精と二人で過ごしたり敵の根城的なところに身を置いたりと緊張感のある日々を平気で送ってきたように見える彼女ですが、幽霊城で聞こえる謎の声に対しては子供のような反応を見せました。

「よく来た」のあとのカサカサカサっていう足の動き面白かったです(笑)
ここの原作のシャル視点に「幽霊が出たと騒ぐアンが、面白くて仕方がなかった」とあり、原作を読んでいた時は本気で怖がるアンを馬鹿にした思考なんだろうな…と思っていたのですが、アニメではアンの動きがかなりコミカルで、声優の貫井さんの演技も相まって面白可愛い感じでしたね。シャルに同意(笑)

「面白くて仕方がなかった」ではなく「可愛くて仕方がなかった」では?
なぁなぁシャル・フェン・シャルー、そこんとこどうなのー?笑
そして夜にミスリルに添い寝をお願いするアンと「そういうことはシャルに頼め」と言いつつも最終的には照れながら承諾するミスリルのシーンも可愛かったですね。
あんな広い城館の一室で扉も閉まってるのに別室のシャルに騒ぐ声が聞こえたとか、どんだけ大きな声で会話してたのかという話ですが…石造の建物は意外と音が響くのかもしれないですね。
ちなみに原作では一緒に寝てくれと頼むのにまず候補に上がったのが同じ女同士のダナだったのですが、食事も一緒にとらないから多分断られると思いミスリルに声をかけたようです。
ダナファンの管理人としては、アンとダナの添い寝も見てみたかったような…そんな気持ちです。

そういうIFを形にするのが二次創作というやつでは?

!(天啓を得た顔)
“紫色の何か”と一階で起こる怪奇現象
アンに対してあんなことやこんなことを考えているシャルの背後を横切る紫色の何か。
原作と同じく行き止まりの壁に向かって足跡が残っているをシャルが見つけ、噂になっている怪奇現象の正体は幽霊ではなく実体のある何かだと確信したシーンなのですが、アニメでは思いっきり足音が鳴ってましたね。
原作では視線を感じて振り返っています。

足跡からも紫色の光が昇っていて、ああそういう表現するのか〜ってなった。
確かに付いたばかりの足跡だって分かるにはそういう表現が適切やね。
そしてその夜、エリオット以外の男性職人たちが使用している部屋が並ぶ一階では、内側から鍵を閉めてもいつの間にか扉が開いているという奇妙な現象が続き、翌朝の朝食時に全員が寝不足になっていました。
二階を使っているアンも幽霊に対する恐怖に加えてその物音に眠れない夜を過ごしたらしく、寝不足でした。

部屋割りは男性の職人が一階、アンとシャルとミスリルが二階、エリオットとグレンさんが三階って感じですかね。
それともエリオットは物音に気づかずに熟睡してたってことでしょうか(笑)
エリオットの部屋は、見落としでなければ原作でも記載が無いです。
ただ、ダナとハルがどこの部屋を使っているのかにもよりますが、エリオットも三階である可能性が高いと思っています。
ホリーリーフ城には鏡写しのような右翼と左翼の建物の一〜三階にそれぞれ四つずつ部屋があり、左翼の一階を作業場、右翼の方を居室として使っているような記載があるのですが、このあとブリジットがグラディスと共に来た際、右翼の三階にそれぞれ部屋を与えられたと書いてあるので、婚約者であるエリオットが同じフロアの部屋を使っている可能性は高いです。
仕事の無い夜間だけですがグレンに近づかないよう見張ることもできますしね。
あとは、アニオリでグレンの様子を訊かれたダナが「お変わりありません」と言ったことから、三階には物音が響かず静かな夜を過ごせたようですので。
管理人的には実は物音の響く二階で熟睡していた鈍感なエリオットも美味しいとは思っていますが(笑)
原作ではシャルが、アニメではミスリルが職人たちに「紫色の何かを見たか」と訊き、それは建物の問題でも幽霊による怪奇現象でもなく、得体の知れない何かの仕業であるということが周知され、その対処はシャルとミスリルに任せるということになりました。

ミスリル、職人たちの作業も手伝うのに幽霊退治もやるんですか?
大変ですねぇ。

原作ではエリオットに仕事任されたのめちゃくちゃ喜んでましたよ。
丁寧に描かれるキャラ同士の関係性
ペイジ工房のお仕事的にはエリオットも作業要員としてアンの指揮下に加わって新聖祭へ向けてひたすら作業回!の『紫の約束』ですが、それと並行して色んな人間や妖精同士の関係性が丁寧に描かれているお話でもあります。
銀砂糖子爵から見たペイジ工房派長代理
銀砂糖子爵ヒュー・マーキュリーが視察で訪問した際、アニメではアンがペイジ派に所属した経緯やそれからの活躍をヒューが把握していて、そこに期待をかけるという描写がありました。
そして、
「そしてエリオット。おまえはそんなアンの才能を見抜いて、ペイジ工房にスカウトした。その慧眼も、やり口のいやらしさも、実におまえらしい」
アニメではアンだけでなくエリオットへの賛辞(?)もあったのがとても良かったですね。
その台詞にアンが焦ってたのがまたヒュー⇔エリオット間でしか伝わらないコミュニケーションって感じでニヤけてしまいました。
13話でシャルとブリジットの取引を見ないふりしてアンの勧誘に利用したことはアンとミスリルにしか言ってないのでヒューは把握していないと思うのですが、“やり口のいやらしさ”という言葉が出てきたのはこういう裏の事情に勘づいてると言って良いでしょうね。

最初の方でエリオットに対して感じるいや〜な感情は『緑の工房』が終わる頃にはもう払拭されていると思うんですが、これはダメ押し的な一手ですよね。
その台詞を受けるエリオットとアンの後ろにシャルがいるのも、実はシャルの気持ちや決意も合わせてエリオットの手のひらの上だったことを表しているようで、12〜13話の彼を思うとちょっとかわいそうになってきます。
腕組み+目を伏せているポーズがどことなく悔しそうというか不満げというかに見えますしね。
まぁ実際にあの頃のエリオットがアンの気持ちならまだしもシャルの心情なんて把握してるわけもないと思うので、偶然が味方したって感じでしょうけども。
そしてヒューとアンが知り合いで気軽に会話していることに驚くペイジ派のシーンはカットされたものの、敬語を使うエリオットや黙って話を聞いている職人たちという描写から、もしかしたらエリオット以外は初めて対面したであろう銀砂糖子爵に対する緊張感は伝わってきます。
エリオットとペイジ親子
さて、みんなから遅れること一日、ブリジットがホリーリーフ城に到着しました。
しかし、シャルとのあれこれが収まって騒動の中心から外れて、あとはアンか誰かが引っ張り上げてくれるだけの状態になったかと思いきや、なんと傍らにはまた違う妖精が。

原作の時からそうだったけどアニメになると迫力がすごかったですね。
エリオットとブリジットの喧嘩。

いつもは…というか第1クールのラドクリフ工房でのエピソードしか知らないんだけど。
その時は喚いてるのはブリジットだけでエリオットは苦笑しながら宥めてるっていう印象だったのですが、今回はさすがにピリピリしてましたね。
エリオットって静かに怒るタイプなんだ……

グラディス…連れてきた愛玩妖精の名前ですが。
原作ではグラディスが自己紹介ついでにブリジットの肩を抱いてる挿絵があったんですが、アニメでそれやってたら色々まずかったですね。
ね。ブリジットの「いつも無関心のくせにこんなときだけあれこれ言わないで!」も併せてそれを見せられたエリオットとアンの心情考察に持ってかれてそのあとの話頭に入ってこなさそうです。
原作では特に作業へ支障をきたさなかったこの出来事ですが、アニメでは親子喧嘩の仲裁でその日一日の作業にエリオットが入れないという事態になってしまいました。
オーランドの言い方から、おそらく今までも幾度となくそういうことがあったのでしょう。
エリオットは作業が早いのでそれを見越して工数を見積もってたと思いますし、それが適わなくなったことを話すアンとオーランドのピリついた雰囲気にはこちらも緊張してしまいます。
また、原作ではシャルが人伝に聞いた風の書かれ方をしていたグレンとブリジットの親子喧嘩がアニメではブリジットの回想でワンシーン追加されていました。
グレンの「おまえはいつまで子供なんだ」「人の気を引くためだけに妖精を買ったのだろう」という言葉を思い出し「そうかもしれないわね。私は多分、誰でもいいんだ」と呟くブリジット。
間違っているのは分かっているけどどうしたらいいのか分からない。
袋小路でうずくまりながら、最初の一歩が示される時を待っている。
彼女もまた少し前のペイジ工房と同じ状況にいるんだと明らかになった描写でした。
ブリジットを気にするアンとオーランド
15話にて、アンだけでなく実はオーランドもブリジットのことを気にしていたと明かされましたが、ホリーリーフ城に来てから「新聖祭の砂糖菓子に集中したい」と言いながらも様子が気になって仕方ないようでした。
アニメではその様子が原作よりも顕著です。

職人頭が仕事場に来ないのを探しに来た風を装ってるのがまた可愛らしいですね。

しかも、気になる?って訊かれて「俺が気にする必要はない」って言っちゃってますしね。
誰も自分のことを気にしてくれないと嘆いていたブリジットが、オーランドがずっと気にしてくれていたことに気づく時は来るのでしょうか。
そして、遠慮しつつもやたらと構いに来るアンの気持ちは伝わるのか……
シャルとグラディス
お互いに黒曜石とオパールであると一目見て分かっていたシャルとグラディスですが、シャルのフルネームを聞いたグラディスが何だか意味深な反応をし、話したときにはシャルのことを“近い”と言っていましたね。
そしてシャルも「オパールか……」と含みのある呟きを最後に残しています。

タイプの違う美しい妖精(しかも声もタイプの違うイケボ)が二人で並んで話しているシーンは最強に目の保養のはずなのに何だかそんな場合ではないですね…!
映像になると五割増しで危険な香りがする…!

シュガーアップルという作品において美しさは”安心できない”と同義なのかしら…笑
そしてアニメではほぼカットされていたのですが、グラディスがどうやって売られ、ブリジットがどうやって買ったのかの説明…そしてその経緯はブリジットの様子から嘘を言っているようには思えないが不可解だと、シャルの口から人間への嫌悪が語られているシーンがあります。
シャルが語る妖精市場周りや非情な人間の話結構好きなんですけどね……あんまりよろしくないから尺が余りでもしない限りアニメではやらないでしょうね。
あと、グラディスの作り出す武器ですね。
原作で書かれているのは“ふにゃふにゃとした青緑色の針”なのですが、アニメでは針であることには変わりないですが、光は赤かったですし何より出現の仕方が鋭くて、グラディスが言うところの「これでは戦えない」は全然信用できないですよね(笑)

そうなのよ……戦士妖精同士のタイマンは出来ないかもしれないけど、普通に暗器として使える鋭さっていうね。
シャル、何でスルーしたの?ってなった(笑)
第2クール後半はこの二人の関係が鍵になってくるので、アニメでどんなふうに描かれていくのかワクワクです…!
最後に。
ということで、17話『紋章なき城』でした。
アンが階下に下りる際に気づいた「この絵だけ汚れてない」という台詞、そして1カットだけ意味深に映ったチェス盤のようなもの……
原作を知っているからというポジショントークな部分もあるのですが、次回への伏線もしっかりわかりやすく描写されていました。
情報モリモリの原作をいかにスマートにわかりやすく、そして原作勢に物足りないと思わせないようアニメに収めるかという点において本当に素晴らしいなぁと毎回感動しています。

しかもシュガーアップルという物語の大事な要素ってそういうところだけじゃないですしね。
いろんな部分に気を配った結果の完成度がすごい。

次回も楽しみ!それじゃ、またね〜!

次回はHERO君に戻ります。
とっても面白い作品なので、毎回ここでお話しできないのが残念で仕方ありません。
またお会いしましょう〜!
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