【アニメ感想】シュガーアップル・フェアリーテイル 第16話『最初の銀砂糖』

23.07.29

「工房のために」と誇りを賭けたグレンの決断とアンの覚悟でペイジ工房は今年の新聖祭の選品へ参加することが決まり、職人一同はモチーフ決めの話し合いを始めた。

新聖祭の選品で国教会に選ばれるため、ひいては見てくれた人全員の心を掴む砂糖菓子を作るためには、少なくともここにいる五人が良いと思い、心から作りたいと思うものである必要がある。
それが定番のモチーフでなくとも構わない……
しかし、出てくる意見はてんでばらばら。
ならば先達にヒントが無いかと縋った日記は、古語で書かれた呪文の書。
モチーフ探しが難航を極めたある夜、オーランドがブリジットのために作ったそれまでと印象の異なる砂糖菓子を見たアンは、ペイジ工房派三百年の信念に隠された真意に気づく。

誰かのためなら、もっと素敵に作れる。

アンは、歴史と誇りのために去年まで拒否してきた選品への参加を決断してくれた、皆の大切な長グレンのために作ろうと提案する。
そして職人たちから思い出と共に語られる、グレンの好きなモチーフである“雪”
五人の見据える方向が一つになったその時、長代理のエリオットが傷を負った状態で戻り——?

ということで、おそらく『緑の工房』範囲最終話である16話、始まります。

しゃお*
しゃお*

管理人曰くここが一番苦労してるらしいよ。
今回も頑張ったね。

HERO
HERO

これをあと8回やるんだよ。まだまだ先は長い(笑)


この記事は、しゃお*とHERO(と今回は管理人)がTVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』第16話を視聴して内容を軽く紹介・解説しながら、感想を楽しくお喋りしている記事です。
原作の内容も含みますので、作品のネタバレを回避したい方は、ぜひここでブラウザバックしてアニメを視聴、または原作を読むことをお奨めします。
そしてぜひ、そのあとに感想を分かち合いましょう…!

アニメ16話は原作第4巻『銀砂糖師と緑の工房』六章から

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第16話

Story Introduction

第16話『最初の銀砂糖』

エリオットが何者かに襲われ、負傷するという事件が発生する。
だが、選品のための作業を止めるわけにもいかず、アンはオーランドたちと話し合いながら、雪の結晶をイメージした砂糖菓子作りを進めていく。
そのモチーフは雪が好きなグレンのために、皆で考えたものだった……。

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー

16話は原作4巻の第六章『雪』と第七章『祝福の光』より。細かいところはやっぱりというかなんというか、こまめにカットされて30分(OP,ED込み)に収めたという感じでしょうか。
でも流れは本当に無理なく原作通りですし、ちょいちょい原作には無かった台詞が差し込まれていたりと脚本の職人芸が光りました。

しゃお*
しゃお*

光りましたといえば、今回は光の表現に定評のある田中瑛さんが演出担当だったね!

そうですね。第1クールでは4話,(6話),8話,12話、第2クールでは13話と決めどころ回の演出を担当されている方ですし、今回は雪の砂糖菓子が光る重要な回だったので納得の人員配置でしょうか。

ちなみに6話は担当がお二人で記名順が後だったので、メインではなかったのかな?という推測から( )表記にしています。勘違いだったらごめんなさい。

今回カットまたは再編により変更されたシーン

  • 「もっと学べ」
  • ここ、ルイストンまで馬車で半日かかるって知ってた?
  • キレーンとエリオット
  • アニメでは満場一致も、原作では薄氷の勝利だった
  • 解放のとき
  • 母屋への凱旋
HERO
HERO

今回はほぼ原作通りに思えたけど、これだけあったのか…
いつもと変わらないですね。

しゃお*
しゃお*

あー…エピソード丸ごとカットになったのは半分くらいで、あとは設定が微妙に変更されて無くなったところって感じかな。

「もっと学べ」

原作ではエリオットが治療を受けて眠っているときにシャルは廊下で待機していたのですが、その際エリオットが目覚めてほっとしつつも彼に話しかけられて逃げたブリジットと鉢合わせ、そこでやり取りが生まれています。
エリオットに確認したいことがあるから目覚めるのを待っていたというシャルに「目を覚ましたから入ればいいわ」と返すブリジット。
タイトルはシャルの台詞で、部屋に入ろうとするシャルの手を引き止めるように握り「義務じゃなくてもお願いしたら部屋に来て欲しい」とすがるように見ながら言うブリジットに、ゆっくりと手を離させて静かに告げた言葉です。

しゃお*
しゃお*

冷たい目で見下ろして引き剥がして無視することもできたのに、なんというか、優しい?で合ってるのかな?シャルの対応にちょっと温かさを感じるよね。

彼女が子供のように何も分かっていないことが哀れですらあった、と書いてあるので、まぁ彼女と過ごした数日とその後のごたごたで思うところがあったんでしょうね。

これは本筋とは少し離れてしまうのでカット対象だったのでしょう。

ここ、ルイストンまで馬車で半日かかるって知ってた?

「ほんとおまえら、考えなしだよねぇ。参るよね。どうすんのよ、俺がいなかったら」

アンたちが作った雪の砂糖菓子は一つ一つのパーツが薄く繊細で、一般的な砂糖菓子よりも壊れやすそうですよね。
アニメでは砂糖菓子を箱で囲って屋根のない台車みたいな馬車に乗せ、それをアンとエリオットが押さえて運んでいました(砂糖菓子を運ぶ馬車の御者はオーランドで、他三人の職人はアンの箱形馬車で並走していました)が、原作では直接保護布をかけることもままならないほど繊細だったので、木枠の上から布をかけて荷台に乗せ、それをアン、キング、ヴァレンタイン、ナディールの四人で揺れないように、布が当たらないように押さえて運搬していました。
実はそれはすべてエリオットの提案で、職人たちは運搬をまったく考慮していなかったことを散々あてこすられ馬鹿にされながらの道中だったのです。

HERO
HERO

詳しく説明は無くともあてこする台詞は入るかなって思ってたのに…
完全に賊への警戒に全振りだったね。

しゃお*
しゃお*

ここでエリオットが隣で手綱を握るオーランドの肩を組むシーンが入るんだけど、カットになるから15話で肩組ませたのかな?

だとしたら脚本(構成かな?)担当さんまじでありがとうですね……
ちなみにカットで悔しくはありますが、上述の台詞を興津エリオットが言った想定で脳内再生余裕なので、意外と平気です(笑)

HERO
HERO

そう…(笑)

キレーンとエリオット

後述の新キャラ”ジョン・キレーン”の段落ですべて書きましたが、ここまでマーキュリー工房派長代理のキレーンとエリオットが会えば気軽に話しかけるようなレベルの知り合いであるという事実はすべて隠されています。

HERO
HERO

確かに。原作だと選品の会場で会う前にもエリオットの口からちょいちょい名前出てたのにことごとくカットされてましたね。

本格的に本編で関わり始めるのは銀砂糖妖精編からなので、アニメで彼の活躍を見られる日を楽しみに待ちましょう。

アニメでは満場一致も、原作では薄氷の勝利だった

アニメでは三工房のプレゼンが終わった後に議論するまでもなく満場一致でペイジ工房の砂糖菓子に決定する展開でしたが、実は原作は違います。
原作では、主祭教父を含む十二人の教父たちの票もペイジ工房五票、マーキュリー工房四票、ラドクリフ工房三票で分かれ、ペイジ工房は危ういところで勝てたという展開でした。

しゃお*
しゃお*

最後に十二票目の主祭教父が票を入れる前に十一人の教父たちそれぞれに票を入れた理由を訊いて議論タイムを設けてるしね。
いろいろ意見言い合っててなかなかに面白かった。

HERO
HERO

票数的には十一人目時点で四:四:三なわけだけど、もし最後の主祭教父がラドクリフ工房に入れて同数となった場合、やっぱり力のある主祭教父が票を入れたラドクリフ工房になるんだろうか……

原作では本当に薄氷の勝利だったわけですね。

ちなみに蝋燭を灯して当日と同じ条件で見てほしいというアンの要望には、原作では初め「前例が無い」と渋られていますが、すぐに主祭教父が当日と同じ条件で砂糖菓子を見ることを「理に適っている」とした上で蝋燭を灯させています。
おそらく翌年以降は最初から蝋燭が灯るでしょうね。
ペイジ工房の砂糖菓子は選品の仕方にも影響を及ぼしたのでした。

解放のとき

エリオットとグレン、そして職人たちの中では、選品で選ばれたらアンはシャルと共に職務から解放されることになっていた。
その展開は同じですが、原作では職人たち一人一人から声をかけられています。
言葉は人それぞれなれど、一緒に仕事をした職人たちは皆総じて感謝の気持ちをアンに持っていることが伝えられるのがとても良いシーンだったのでカットがとても残念でした。

特にですが、ヴァレンタインが「よかったですね、アン。それに、ありがとうございました。楽しかったですよ」と言うのが感慨深いです……

しゃお*
しゃお*

エリオットの「ここからは君の自由だ」ってすごくいい台詞だなぁと思ってたけど、アニオリだったんだねー。

母屋への凱旋

アニメでは選品が終わった後聖堂内で二人きりのシーンで終わりましたが、原作ではグレンの待つミルズフィールドの本工房に帰ってきたシーンがあります。
グレンやダナとハルを含むペイジ工房の人たちが新しい期待への光に包まれるシーンであり、アンが母屋を見て「はやくあそこに帰りたい」という思いが芽生えるシーンであり、ブリジットがまた一段、哀しみの階段を降りてしまうシーンでもあります。

HERO
HERO

17話、冒頭ですぐ『紫の約束』範囲に入るのかここからやるのか分からないから説明このくらいにしとくのが無難でしょうね。


というところで、今回のカットされたかもしれないシーンは以上です。
それでは本編行きましょう。

今回新しく登場したキャラクター

ジョン・キレーン(cv:柳田淳一)

マーキュリー工房の長代理として選品に参加していた、黒髪黒目で片眼鏡をかけている男性です。
アニメでは名前が明かされず、原作を知っていて彼の存在を覚えている人のみエンディングのクレジットで分かるという仕様になっていましたが、原作では選品の会場に到着した際にエリオットが彼の姿を見かけて「キレーンだ!」と言って手を振る描写があります。

しゃお*
しゃお*

旧知の仲なの?

原作で、ペイジ工房凋落の噂が流れた時にエリオットがキレーンから「マーキュリー工房に来ないか」と誘われたけど断ってペイジに残った、みたいなことをアンに話しています。
互いに銀砂糖師なので、知り合いではあるのでしょう。
また、選品後のエピソードを描いた短編『日と月の密約』にて、真面目ちゃんに絡むギャルのごとくエリオットがキレーンに絡み、彼がそれに真面目さで応戦するシーンがあるので、もしかしたらお互いに結構仲良い認識なのかも…なんて思います。

HERO
HERO

日と月…って、円盤3巻特典のドラマCDになる短編ですか。
ドラマCDはほぼノーカットで再現される印象があるから出演ありそうですね。楽しみ。

担当声優の柳田淳一さんは、ここ十年ほどかなりたくさんのTVアニメ作品に出演されています。
名前の無いちょい役も多いのですが、観たことのない作品も多かったので今度観る機会があったら声を探してみるのも楽しそうです。

賊(cv:斉藤壮馬)

しゃお*
しゃお*

賊?!”赤い妖精”じゃなくて?!笑

HERO
HERO

エンドクレジットには”賊”と表記がありました…(笑)

……はい。まぁ、赤い髪の妖精のことですね(笑)
赤い糸のような伸縮自在の刃物を両手の指から出現させて戦う戦士妖精……フードからはみ出る髪は暗がりでもはっきりわかるくらい真っ赤で、目の錯覚でなければゆらゆら光っていて、画面のこちら側にも強そう…というより得体の知れない怪しげな気配が伝わってきました。
アニメではカットされていましたが、原作では赤い妖精と対峙した際に喧嘩慣れしているキングが「あいつは……やばいぞ」と呻いています。

担当声優の斉藤壮馬さんは次回以降登場するグラディスとして紹介されていたのですが、グラディスは登場時ブリジットが使役する愛玩妖精なので、ちょっと謎なキャスティングですよね。
同じ声優をキャスティングっていうのは意図がない限りはやらないもしくはクレジット表記で同じ名前を出さないと思うので、今回の場合何かしら関係があることの匂わせだとは思います。
ちなみに『ONEPIECE』では麦わらの一味の声優さんが端役を兼ねることがあるらしく、その際クレジットは”粗忽屋”と書いてあると昔コミックスの質問コーナーで尾田先生が回答されていたのを覚えています。

わたしたちは原作履修済みで流れを知っているのでこれ以上は何とも言えないのですが……まぁ、お楽しみくださいということで。

ブルック(cv:前田弘喜),主祭教父(cv:魚建)

進行役をしていた教父がブルックで、最終決定を下した髭の教父が主祭教父です。

わたしたちが知っているところだと、ブルック役の前田弘喜さんはDr.STONEにてワシレフスキーなど複数役を担当されていました。
主祭教父の魚建さんは洋画や海外ドラマの吹替が多いですね。そしてpixiv百科事典に記事がありました。

しゃお*
しゃお*

ワシレフスキーってすごい印象に残ってるけど一言叫ぶだけっていうね(笑)
そういうキャスティングされる声優さんもいるんだねぇ。

HERO
HERO

声優さんご本人が百科事典に記事持ってるの珍しい〜

エリオット・コリンズ負傷事件

歴代長の日記の解読に挑戦するアンたちに顔を見せた際に「帰ったら手伝ってやるよ」と盛大なフラグを立てて外出したエリオットが額と脇腹を斬られた状態で戻りました

オーランドが皆に指示を出して慌ただしくしている中でオープニングが始まり、Aパートは治療を終えて私室で眠っているエリオットのシーンからです。
室内にはアンとオーランド、開いた扉から覗いているブリジット、そして原作では廊下にいたシャルがアニメでは最初から室内にいるという配置でした。
比較的早い段階でエリオットが目覚めたのですが、アニメでは視界の先にブリジットがいて一番先に「居てくれたんだ〜」と話しかけていますね。

しゃお*
しゃお*

原作でもちゃんと「こっち来てよ、ブリジット」と優しく話しかけてるの、家の都合で婚約してるとはいえやっぱり特別な絆があるんだなぁとしみじみしたよ。

HERO
HERO

出番少なくなったからかもだけど、前回くらいからブリジットへの悪口あんまり見かけなくなったよね。

最終的に何も言わずに逃げちゃいますし、悪女ムーブは強がってるだけだって分かりますね。
エリオットの怪我も比較的軽かったわけですし、一安心ではあります。

原作ではシャルが入室する前にエリオットの身に何があったか一通り話しているのですが、アニメではエリオットの傷跡を訝しんでいたシャルに聞かれて何があったか語られます。

「こいつの傷は、人間の作った刃物で斬られたものじゃない」

シャルの見立てでは、襲ったのは刃物を作り出す能力を持つ戦士妖精——貴石から生まれた妖精で、誰かが妖精を使ってエリオットを襲わせた…かもしれない、とのことでした。

しゃお*
しゃお*

貴石の妖精こわっ!!
そして室内で剣出したシーンも原作で読むより数倍怖かったわ!!

エリオットが「俺から銀砂糖の香りがする。銀砂糖師か?って訊いてきたんだ」と話していた時にシャルの眉間に皺が寄ったので、シャルは人間の命令で妖精が襲ってきたのではないかもしれない、とも思ってそうですね。

しゃお*
しゃお*

銀砂糖師じゃないって分かったら突然斬りつけるとかも不可解だよね。
何かするつもりで銀砂糖師を探してて、自分の姿を知ってる銀砂糖師以外の人間を口封じしたいならエリオットが逃げるのを阻止して殺すはずだし…

そんな不安を抱えながらですが、エリオットの「グレンさんの決断を無駄にするような無様な結果は出さないでよね」という言葉で気持ちを切り替えて雪の砂糖菓子の制作を始めます。


アンは仕事の前にこのことをグレンに報告に行くのですが、エリオットの成長に感慨深くなっているのと同時にブリジットのことを気に病むグレンに対し、原作ではアンが「少しずつ何とかしていけます」と語りかけています。
根拠は?と訊かれ、肩をすくめながら「ないです。でも、なんとかできると思ってなんとかしはじめないと、変わらないから」と答えたのが前向きなアンらしく、とても”最初の銀砂糖”って感じの発言で良かったのですが、アニメではグレンが「すまない。君にこんなことを聞かせても仕方ないのに」と自ら会話を切っています。

HERO
HERO

尺だね。

しゃお*
しゃお*

時間に限りがある以上仕方ないと分かっているのに嘆いてしまうな…

あと、これは事件とは関係ないのですがグレンさんが痩せ細り儚い雰囲気を感じさせる描写に『四月は君の嘘』のヒロイン宮園かをりが回を追うごとに衰弱して色が薄くなっていく作画を思い出しました。
角度の問題もあったかもしれないのですが、アンから見てどんどん衰弱しているのに心配事が山積みのグレンさんの描写……いやはや細かい……

いざ、選品へ

さてお待ちかね、砂糖菓子の制作シーンです。
まずみんなで思い思いの結晶を作ってみよう、というところから描写されていて嬉しかったです。
五種類置いてありましたが、どれが誰の作ったものなのでしょうか?
原作の文章から推測してみましょう。

HERO
HERO

アンが作ったやつは同じのスケッチ描いてたし、右下で確定かな?

しゃお*
しゃお*

あと左下のカラフルなやつはキングだと思う。

残りは上の三つですが、原作によると……

  • 【ナディール】掌大の薄い六角形。その六角形の中に複雑な規則性を持った細かさの模様が彫り込まれている。
  • 【ヴァレンタイン】アンのとよく似た六方に鋭く突起がのびる薄い形。切り出された突起の形は鋭く整っている。切り出された形にはまんべんなく幾何学模様が刻まれている。
  • 【オーランド】形はアンと似ている。表面に凝った意匠はまったく施されていないが、完璧なまでになめらか。かなり大きく薄いが手で持ちあげても簡単には砕けなかった。

とのことです。
おそらく上段は左からオーランド、ヴァレンタイン、ナディールだと思われます。
Blu-ray/DVD3巻のブックレットによると、上段は左からナディール、ヴァレンタイン、オーランドでした(2023.10.24追記)。

しゃお*
しゃお*

同じ雪の結晶なのにここまで個性が出るのすごいよなー。

これを見て雪の結晶を組み上げて塔状にすることをアンが示し、それぞれの得意分野から提案が飛び交う様は原作の時からわくわくしたものです。

HERO
HERO

そして第1クールとは状況が何もかも違うってのもあるけど、それでもアンが職人たちの中ですごく楽しそうに仕事をしているのが見ていて嬉しいね。

“雪の塔”制作ダイジェスト十日間

雪の結晶を大量に作る間は仕事の様子がダイジェストでお送りされ、九日目の夜に完成した砂糖菓子がお披露目されました。

しゃお*
しゃお*

仕事の様子のほかにもアンとオーランドが相変わらず引きこもっているブリジットに砂糖菓子を届けに行った様子だったり、エリオットの怪我が良くなったところ、そして膨大な作業量に疲れ果てて眠るアンとミスリルを幸せそうな顔で眺めるシャルも入ってて嬉しかったな〜!

HERO
HERO

ミスリルが走り回ってるの可愛かったし、アンが結晶を組み上げるのに台座?を作ってるシーンもあって、本当に砂糖菓子作りの舞台裏を見せてもらった感じで良いダイジェストだったね。

原作ではより具体的な作業量が明示されています。
初日の作業時間で作った結晶が百個弱。結晶組み上げに二日、ルイストンまでの移動に一日を引いた七日間で七百個……それでは足りないので、真夜中まで作業をして一日に二百個作ることを目標に、七日間で千四百個以上作っていたそうです。

しゃお*
しゃお*

すご……

そしてアニメでは情報が出ていなかったですが、エリオットが襲われた日以降ルイストンとミルズフィールドを繋ぐ街道では時々砂糖菓子職人が襲われる事件が起きていて、しかし犯人の妖精の正体は不明のままでした。
エリオットは誰に何の目的で襲われたのかは気にしないと言っていましたが……そんな得体の知れない事件が近所で起こり続けているとか、普通に怖いですよね。

信頼の形

雪の結晶が組み上がると、ミスリルがエリオットを、シャルがグレンを連れてきてくれました。
モノローグを中心に細かくカットは入っていましたが、グレンを囲む職人たちとアンとの間にはやはり共に過ごしてきた時間による距離があるのが1枚の引きの絵で見事に表現されていましたね。

HERO
HERO

砂糖菓子とランプや蝋燭が光ってて人がシルエットになってるところ?

そうです。原作のように「やっぱり私はお客様ね」というモノローグや、同じ部屋にいるのに少し離れたところでシャルとミスリルとしか話していないアンのシーンはありませんが、引きのシルエットでグレンを中心として家族のようなペイジ工房の職人たちの信頼の形との対比が強調され、少し寂しくも美しい画面となっていると思いました。

しかしそのあとすぐにグレンに呼ばれ、自分もしっかりとこの場所で職人頭として信頼を築けていたんだと自覚するアン。
このシーン、グレンが苦笑しながら言う「どうしてそんな場所にいる?我々の職人頭が」という台詞が、アニメでは

「こっちに来なさい。職人頭なのだろう? なんだ、君が言ったのだぞ」

に変わっていて、cvの山本さんの言い方も相まってなんかこう…泣きそうになりました。
そしてペイジ工房はトップダウンと見せかけてしっかり職人の自主性を尊重する工房なんだよなぁと改めて感じたシーンでもあります。

しゃお*
しゃお*

これは妄想だけど、グレンさんは本来はトップダウンに向いていなかったけど先代までの方針を守って頑張って厳しい長をやってたのかな。
そこに自分の心配なんてものともせず手を離れて立派に長としての器が育っているエリオットと、変化を恐れず常に前向きに新しい風を運んでくるアン…二人を見てちょっとだけ心配事が減ったって感じがする。

そしてもう一つ。
シャルからのグレンや職人たちへの信頼もここで示されたのではないかと。
グレンの「職人たちを守れ」という命令に従う旨をうっすら笑って告げるのは原作通りですが、まさかそれがこんなに穏やかな顔だったなんて……まだ羽握られてるのに、こんな……穏やかな……
きっと羽を握っている自分への扱いと同じくらいアンに対する接し方も観察してて、それで信頼できる人間だって判断したからこその態度だったんじゃないかなと、私は思います。

しゃお*
しゃお*

私もそう思います。
そしてこのシーンでずっと流れてるBGMが『心地よい風』ってね……はぁ……

HERO
HERO

管理人としゃお*さん、めっちゃ泣きそうになってるじゃん(笑)

しゃお*
しゃお*

そりゃ泣くわ!逆に何でHERO君はそんなシレッとしてるんですか?!

赤い妖精出現

さあ、ついに大本命が登場しましたよ。

姿を見た時のエリオットのヒロイン顔が全てを物語っています……
そりゃ今みたいな真夜中じゃないにしても、暗がりでたった一人こんなのと遭遇しただけでも恐ろしいのによく分からんもので斬りつけられたらあんな顔になっちゃいますよね。

当初の(シャルの中での)作戦通り、速度の出せない馬車はシャルが赤い妖精を足止めしている間に先へ進み、シャルは赤い糸状の刃物を出現させた妖精と刃を交えます。

HERO
HERO

シュガーアップルには珍しいガチの戦闘シーンですね。
第1クールでも剣を出したシーンは多くあったけど、相手が盗賊だったり獣だったり威嚇のためだったりでしたからね。
……というか、今回のシャルが戦うところめちゃくちゃかっこよくて魅入っちゃいますね。
原作の後半では戦うことが結構あると聞いてますが、ぜひそれもアニメで観たい……

しゃお*
しゃお*

珍しくHERO君のテンションが上がっている(笑)
いやーしかし糸が両手の指から出てるのなんか気持ち悪いな…

しかし赤い妖精はシャルが黒曜石の妖精だと分かると優しく囁いてきます。
おまえを助けてやる」と——

ここは台詞も動作も概ね原作通りで、想像が追いつかなかったアクションがひたすらかっこよく再現されていたという感じですね。
そして流れていたラスボス感バリバリのBGMは初めて聴きましたね。この妖精専用でしょうか?

また、原作では戦う時のシャルの羽は硬質な青銀に輝くという設定があるのですが、それが今回の舞台が夜ということもあってなかなかに分かりやすかったです。
いつものピンクや緑が混ざるブルーも鮮やかで綺麗ですが、青銀の冷たい光もすごく綺麗ですね…

HERO
HERO

大本命と言うわりには語らないな、この人(笑)
とりあえず登場を楽しみにしていたって感じかな?

それぞれの砂糖菓子と光

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第16話

選品のシーンは美しいの一言でしたね……
PVでも少し映っていたところなのでどんなものかは知っていましたが、光の有無でこんなに変わるものかと惚れ惚れしていました。
そしてアニメで初お目見えとなったラドクリフ工房とマーキュリー工房の砂糖菓子も同じようなモチーフなのにそれぞれ全然違う個性が出ていてさすがの出来栄え、という感じで。
そして光が当たったときに三つの砂糖菓子がどう見えるか、表現が分かりやすかったですね。

HERO
HERO

砂糖菓子からそれぞれの工房の特色を考察できそうなくらい個性的で良かったよねー。

最初の銀砂糖=変化をもたらすもの

選品後、エリオットがシャルの羽をアンに渡して解放宣言をするシーンで、13話から今まで引っ張られてきた”最初の銀砂糖“の種明かしがされました。

“最初の銀砂糖”とはペイジ工房派でのみ言われている言葉で、苦味を抜くために一晩砂糖林檎を冷水に浸ける際に一握り入れる銀砂糖のこと。変化をもたらす銀砂糖と云われる。

だからアンのことも期待を込めてそう呼んでいたとのことです。
期待=工房の立て直しを成功させることだと思っていましたが、袋小路にいた彼らに新しい一歩を示すことこそがアンにかけられた期待だったとも明かされました。

しゃお*
しゃお*

最初の銀砂糖は苦味のある砂糖林檎が甘い銀砂糖に変わるための最初の一歩を示すものだもんね。
よく考えれば「そういうことか〜」ってなる。

これもう結婚じゃないですか?!

最後は『緑の工房』ラストの美しいロマンスを語って終了にしましょう。

羽を返してもらったアンは礼拝席の最後列に座っているシャルのもとへ行きますが、ここはまずシャルのモノローグのアニオリが入ります。
怪我をして意識を失っているシャルの内側は真っ暗で、そこから意識を引き上げてくれるのは少女が優しく名前を呼ぶ声と“甘く愛しい銀砂糖”の香り——

HERO
HERO

アンは”最初の銀砂糖”って呼ばれたり「銀砂糖の香りがする」って言われたり、何かと銀砂糖に例えられることがあるね。

1話で出会った時にも「おまえから銀砂糖の香りがした」と言ってるので(本人に伝えたのは3話ですが)、これからも二人のロマンスを語る上で必須になってくる要素なのかな、と。
銀砂糖そのものであれば先ほどまで大きくて美しい砂糖菓子が三つ運び込まれていたわけですし、その関係で銀砂糖を扱う砂糖菓子職人もたくさん居たので、聖堂内には銀砂糖の香りで満ちているのでは…と思いますが、シャルにとってアンからする銀砂糖の香りはちょっと違う香りなのだと考察妄想できますね。

しゃお*
しゃお*

まぁ年頃の女の子のいい匂いと銀砂糖が混ざったら、それはね……

HERO
HERO

そう言うとちょっと変態っぽくなるから、僕はその考察は遠慮したいな……

引き続き新聖祭までペイジ工房で責任を全うしたいと申し出るアンにミスリルとシャルは「あそこのベッドは寝心地がいいから大賛成」「おまえがいればどこでも一緒だからやりたいようにやれ」とそれぞれ肯定の意を示します。
シャルがアンのそばにいたい理由は前話収録範囲で隠された地の文で語られていましたが、このシーンの地の文にはアン自身の恋心が語られています。
お互いにそばから離れたくないのは自分の身勝手な気持ちだとしたうえで、アンに関してはシャルがそばにいてもいいと思ってくれる気まぐれがずっと続くように、と祈ってるのがいじらしくて可愛いですよね。
そんなん……彼も君から離れたくないって思ってるし何なら自分のものにしたいとか思っちゃってるから心配しなくても大丈夫やで…!←

そして「待っててくれてありがとう」と羽の小袋をシャルの首にかけ、光が差す教会で二人きりで……って、

いや待って、これもう結婚じゃん?!婚礼の儀じゃん?!

おまえがいればどこでも一緒」ってもう捉えようによってはプロポーズですし、ラストの引きの絵が絵画みたいなタッチになって美しいのなんのって……
宗教画じゃん……ここに教会を建てよう……あ、もう建ってたわ……

しゃお*
しゃお*

…………

しゃお*
しゃお*

…………

しゃお*
しゃお*

とりあえず管理人が正気を失っているので代わりにお話しておくと。
原作では「助けられたな」と言う時はすでに顔を近づけていて、唇にキスをしようとしたみたいなんですが、思いなおしたように額へのキスとなる流れなんですね。

HERO
HERO

アニメでは瞳に特徴的な艶(原作の表現を借りるなら”背すじがしびれるような艶”)はやどったけど、別に迷った素振り無かったよね。

しゃお*
しゃお*

おそらくなんですが、15話でアニオリ展開のキス未遂あったじゃないですか。
原作でのミスリルのあからさまな気遣いがアニメで出歯亀になっちゃったやつ。
あれがここでのシャルの迷いをカットした代わりだったんじゃないのかなと思ってます。

HERO
HERO

あ〜…なるほどね。
エリオットとオーランドの肩組みといい、そういう再編の仕方してくるわけか。

しゃお*
しゃお*

まぁ全部推測だけどね。

……あ、ごめんなさい、意識飛んでました。

しゃお*
しゃお*

もうシャルの祝福のデコちゅー話し終わったから。
あと最後よろしく。

え、あ……はい。

「銀砂糖師となったおまえに、祝福を」

第七章タイトルの『祝福の光』は雪の砂糖菓子が放つ光と飾り蝋燭の光のことだと思っていたのですが、それだけではなく、シャルがアンに与えた祝福のキスのシーンで聖堂に差し込む光のことでもあったんですね……もう画面が美しすぎて元々そんなに無い語彙力がさらに酷いことになっています…笑

そして原作ではたまにアンのことを朝の陽光に喩える描写が出てきたりしますが、今回は特にそんなアンの光に暖められたシャルの表情の柔らかさが際立ってました。
でもこれは長編大作のシュガーアップルなので。
その幸せそうな顔が曇る展開がまた来てしまうと思うと何とも切ないなぁと思いつつ、第1クール後半の物語が収束するこの一区切りまで美しく描き切ってくれたアニメ制作陣に最大限の感謝を送ります。
いやー本当に、

いい最終回だった…!(まだだよ

最後に。

次回から原作第5巻『紫の約束』に入ります。
サンプルを提出した選品で選ばれましたので、ペイジ工房一行は工房のあるミルズフィールドから拠点を移し、ルイストンのとあるお城を借りて新聖祭で実際に飾る砂糖菓子作りに取り掛かるお話です。
先に紹介されていた妖精のグラディス(cv.斉藤壮馬)ノア(cv.石見舞菜香)も早々に登場するかと思いますので、また彼らがどんなふうに関わってくるのか楽しみですね。
そして並行して、お互いに解放された身でペイジ工房にとどまるシャルとアンのむふふな今後にも期待です。

しゃお*
しゃお*

むふふて(笑)
それじゃ、また来週にお会いしましょう〜!

HERO
HERO

お疲れ様でしたー(・∀・)ノシ

次回予告映像

by. KADOKAWAanime (YouTube)

アニメ配信,書籍情報

TVアニメ配信情報は下記をチェック!

16話の内容が読める原作『銀砂糖師と緑の工房』はこちら