
シャルと共に訪れた聖ルイストンベル教会にて、古代ハイランディア文字で記された、今となっては誰も知ることができない“祖王セドリックと妖精王の戦い”の真実を知ったアン。
伝説を知って尚、できてしまった種族間の溝に白けた態度を取るシャルに対し、アンは想いを募らせる。
この想いを、砂糖菓子にできたらいいのに——
昼の暖かな日差しを浴びて輝くシャルの羽を見てつくりたいものを見つけたアンは、ラドクリフ工房に帰還するとすぐに、とてつもない速さで作品づくりを進めていく。
一方、キャットの叱責以降表立ってアンの仕事を妨害することができなくなったラドクリフ工房の職人たちは、完成したアンの砂糖菓子に危機感を覚えたサミー・ジョーンズの主導のもと、ついに直接的な暴力に出る。
ジョナスがシャルを呼びに行ったおかげで窮地は脱するも、一連の犯行をすべてジョナスに押し付けた彼らに憤ったアンは長マーカス・ラドクリフに直訴。
しかし生え抜きの職人であるサミーを信用してやまないラドクリフは口論の末に堪忍袋の緒が切れ、濡れ衣であるジョナスを放逐することに。
そして、以前からサミーと揉めることが多かったアンも是幸いとばかりに追い出されてしまったのだった。

アンは、とりあえず品評会用の砂糖菓子と銀砂糖3樽は持ち出せたので。
もうラストまで見守るしかない……

どうか神様……アン・ハルフォードに祝福を……

しかし釈明の機会を一切与えられずに放逐されるジョナスがさすがに不憫すぎるな……
濡れ衣なのに……

今までやってきたことの報いとしては重すぎるね……
それでは、TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』第1クールも最終話になりました。
運命の第12話『離したくなかった』、始まります……!
この記事は、10038C-R’s Noteメンバーと管理人がTVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』第12話を視聴して内容を軽く紹介・解説しながら、感想を楽しくお喋りしている記事です。
原作の内容も含みますので、作品のネタバレを回避したい方は、ぜひここでブラウザバックしてアニメを視聴、または原作を読むことをお奨めします。
そしてぜひ、そのあとに感想を分かち合いましょう…!
Contents
アニメ12話は原作第3巻『銀砂糖師と白の貴公子』六章途中から

Story Introduction
第12話『離したくなかった』
サミーの企みにより、アンはラドクリフ工房を追い出されてしまう。
品評会用砂糖菓子の持ち出しは許されたため、品評会に参加できることに安堵するアン。
しかし、ミスリル・リッド・ポッドはアンが自分で精製したはずの銀砂糖が、ラドクリフ工房の大量生産品にすり替えられていることに気づく。
第12話は原作3巻の六章『ある疑惑』の中盤から、最終章である七章『欠けた砂糖菓子に』の最後まで……本当に最後までが収録されています。アニメには入らなかった最後のエリオットの一言も、アンがシャルを追いかけた画面外で呟かれていることでしょう(←?)
前話までは本当にどう決着するか無限択あったのですが、12話が始まった瞬間に「あ、これ原作通りに終わるやつだ……」と覚悟が決まりました。

本当に『白の貴公子』の終わり方で終わるんだとしたら続きやらないとだめじゃない?
絶対あるでしょ…早ければ来年とか…って思ってたら最初から分割2クールアニメでしかも後半は3ヶ月後の夏アニメなんだもんな(笑)

いやしかし情報公開まで演出の一部かよ……やるなぁシュガーアップル製作委員会……
アニメ制作は自分が今何話を作っているのか、一作業者でも人によっては何話構成のアニメなのかが分かるようになってると思うので、今回の1クールアニメを装っておいてキー局で12話を放送し切ったタイミングで分割2クールであることと2クール目の放送予定を初公開するっていうのは、本当に制作に携わる全スタッフの情報リテラシーを信用し徹底したタスク管理をする綿密で大胆でおっかない作戦だなぁと思いました。

一部でも漏洩があったらまじで台無しだもんね。
それでは、そんな第12話『離したくなかった』と、放送終了直後に公開された特報PVについて語っていきましょう〜!
カットまたは再編により変更されたシーン
- ジョナスに会った場所と女将さんの出番【変更/追加】
- まずはキャットとキースに応援要請【カット】
- 国王と王妃の砂糖菓子吟味タイム【カット】
メインで語りたいシーンのカットや再編も結構あったので、それについてはこちらでは割愛、専用の段落でお話ししています。
ジョナスに会った場所と女将さんの出番【変更/追加】
追い出されたラドクリフ工房をあとにしたアンたち。
アニメでは、本日の宿として訪れた風見鶏亭で食事をしながら女将さんに話を聞いてもらっているような描写が追加されていました。

アニメ、風見鶏亭の女将さんのシーンよく追加されてるよね。
そしてジョナスとの遭遇は原作では馬車での道中ですが、アニメでは風見鶏亭でした。

ジョナスは夜中に追い出されてずっと歩いてたんですよね。早朝に馬車で出発したアンと同じところにいるってことは。
会えてお礼言えて良かったけれど、休もうと思った風見鶏亭にアンがいて入るのをやめざるを得なかった彼は不憫ですね……
まずはキャットとキースに応援要請【カット】
アンの銀砂糖がすり替えられていると発覚した晩……シャルの行動は、一人ラドクリフ工房へ戻りキャットとキースと連れ立ってエリオットの部屋を訪れているシーンから収録されていたわけですが、原作ではどうやってラドクリフ工房内に侵入し、あの二人と行動を共にするようになったのかの経緯が細かく描かれています。
ここや11話収録範囲内のシーンがカットされていても、キャットもキースも12話冒頭でアンが出て行った事情をすべて知りましたという様子がしっかりと描かれ、「泣き寝入りはさせない」という台詞が追加されているので、シャルに協力してくれている姿はアニメでも違和感なく繋がりますね。
また、そこで交わされたエリオットにも協力を仰ごうという案は、アニメでもキャットの台詞として追加されていました。

「口が達者なこいつの協力がいるんだよ」って台詞だね。
原作に無くてびっくりした台詞の一つでした。
あとこんな緊迫したシーンでもシャルとキャットのやりとりにコメディが発生するのは束の間の清涼剤のような感じで癒されます。アニメではあまり描かれないところですよね。
国王と王妃の砂糖菓子吟味タイム【カット】
実際にアニメで放送された国王の言葉は後の段落でお話しいたしますが、原作ではその結論に至るまで国王と王妃で砂糖菓子を見ながら楽しそうに話し合っている姿が丁寧に描かれています。

失格になったアンの砂糖菓子を王妃様が見たいと言ったから見せてくれって言ったシーンでも思ったけど、国王様、王妃様のこと大好きだよね。
原作で夫婦仲良く砂糖菓子について語り合ってるシーンは神聖で厳粛な場なのに微笑ましく見えてくるからぜひ読んで欲しい…
というところで。それでは本編行きましょう。
キャラクター紹介
クリフォード(cv:大塚剛央)

原作では「背の高い、従者のお仕着せを着た青年の姿をした妖精」とだけ書かれていて挿絵での登場もなかった妖精クリフォードですが、アニメでその姿が公開されました。
白とも水色ともつかない不思議な色みの髪に金色の瞳、肩まである後ろ髪は左右に跳ねていて、背にある緑みがかった水色の羽はおそらく膝裏まで伸びている。
従者のお仕着せは青を基調としたもので、胸元の大きな白いリボンが特徴的。
結構な長身に見えますが、アンと並んだ画を見るとシャルより少し低いくらいでしょうか。

キャラ紹介で画像借りてきたの初じゃないですか?何で?

担当声優さんが管理人の好きな人だから ちょうど公式がカット公開してて、この特徴的な色味を見てほしかったから、だってさ!笑
11話で「妖精は信用できない」と言われたすぐ次話に出てきた、王家から信頼される妖精。
クリフォードの立場が非常に気になるところではありますが、それはそうと、彼は作中で初めてアンの砂糖菓子を食べた妖精なんですよね。
この時はまだシャルとミスリルですら食べる描写のないアンの砂糖菓子——しかも伝説の真実を知ったアンが丁寧に精製された銀砂糖を使い、祖王と妖精王が共に目指しながらも叶わなかった妖精と人間の調和を本気で祈りながら作った砂糖菓子を食べる……
役得がすごいですし、王家に使役される立場でありながらその王家から信頼される妖精がこれを食べるという行為に、これからの展開の意図が隠れていそうな、そんな深読みもさせてくれます。
悲哀の品評会前日
12話は原作と同じく前回の続きで、アンが荷物をまとめてラドクリフ工房を出ていくシーンから始まりました。時間帯的には朝方だと思いますが……流れるBGM『悲哀』もあいまってこれから日が昇るにしてはもの寂しい雰囲気です。
そして、11話の最後では登場しなかったキースとキャットですが、ここで「話は聞いた」と登場します。
台詞は多少短縮されておりましたが、原作通りのラストに向かう足音が聞こえます。
あと、門の脇で出待ちしているブリジットはアニメでは結構尺が取られていて、切ないを通り越した何かを感じさせる表情変化が追加されていました。

先に御者台に乗っていたシャルはいつになくツンとした態度ですね…

原作では追いかけてきたキャットと会話するまで特に描写がなかったのでこの感じはアニメで初めて知ったのだけど、シャルが人間のためにここまで感情を露わにするなんて誰が想像しただろうか……
このシーンのシャルは原作とは違って門を出るまで目を閉じて、ブリジットはおろかキースたちとアンとのやりとりにすら見向きもしていませんでしたね。
その感情はアニメにも原作にも詳細には描かれませんが、ちょっと苛立っているようにも見えるその表情……いったい何に対しての苛立ちなのでしょうか。
理性と感情の狭間で
生き生きしていた。
TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』第12話
昨日のことが無ければ、あそこがおまえの居場所だったんだろう。
だが……今こうしている方が、俺は落ち着く。身勝手だ。
アンは食事のあと電池が切れたように昼間から眠ってしまい、未だ目を覚さない夕暮れ間近。
ここはアンの寝顔を眺めながらシャルが感情を吐露するシーンなのですが、確定的な望みが書かれた最後の一文は伏せられていたものの、思ったよりしっかりと語ってくれました。

伏せられた最後の一文は、瞳の揺れとアニメだけで描かれた行動が語っていたということで…
アンにとってはシャルとミスリルと三人でいることは前提事項で、品評会後の活動をどうするかという居場所云々よりも大事なことが目の前にあるわけですが、シャルはちょっと違うみたいですね……
銀砂糖すり替え事件の発覚
感傷に浸っていたシャルのところへ不穏な話題を携えたミスリルが戻ってきました。
部屋の薄暗さも合わせてシリアスなシーンではあるのですが、アニメではミスリルの体をしっかり鷲掴みにし、光の消えた瞳で言う「おまえの真面目な話は一切聞かないと言ったはずだ」が追加されていたのは面白いというか、一服の清涼剤というか(笑)
アニメでは原作と違って回を跨いでいるので復習的な意味で追加された台詞なんでしょうが、とても良い味を出しています。

煽り構図最高ですし、シャルの手から抜け出そうとするミスリルのモーションがしっかり描かれてて良かったです(笑)

青年の姿のシャルの手が大きいというのもありますが、ミスリルって本当に小さいんですね。小さいというか、胴体が細い。

さて、そんなミスリルの今度こそ本当に真面目な話。アンがラドクリフ工房から持ち出すことを許された、自分で精製した三樽の銀砂糖。それがアンの銀砂糖ではなかったらしいのです。
「銀砂糖が違う」の言葉でミスリルを握る手を緩めたシャルは、その銀砂糖がラドクリフ工房で作られた大量生産品であるというミスリルの主張を確認するために、シャル自身もアンの馬車に積んである銀砂糖の味見をしています。このシーンはアニメで追加されたシーンでした。

結局来年分の銀砂糖は手に入れられなかったけど、品評会には参加できる状態で敵の根城から脱出できたことには変わりないのでとりあえず安心していたら、これはまた厄介な……

味はあれだけど……見た目も違うっていうのは人間でも分かりそうですよね。
明日の品評会に向けて何事かが企てられていることを悟ったシャルは、この事実をアンに伏せて必ず品評会に参加させることをミスリルと約束し、自身はアンの銀砂糖を探しに単身ラドクリフ工房へ。

初回放送時はここで終了だと思っていたので、最終回にしては気が抜けない展開だなぁと思っていました。
再び、ラドクリフ工房にて
シーンの切り替わりですが、ラドクリフ工房に難なく侵入できたシャルがキャットに連れられてキースと三人でエリオットの部屋を訪れているところから始まりました。
ここではまずエリオットの部屋に来たのはなぜなのかをキャットの台詞でしっかり補完しています。

ここで一瞬シャルの顔が映ったの「シャルの言うことが本当なら」の台詞に合わせたんだろうけど、シャルが何か物騒なこと考えてるみたいでハラハラするわ……
軽薄な男、エリオット・コリンズの冷静な指摘
エリオットの部屋に入ると、そこには完全にやさぐれた酔っ払いと化したブリジットがいました。
彼曰く失恋した彼女のヤケ酒に付き合っていた俺の努力だそうですが、しかしその主張の通り、アンを引き合いに出して愚痴るブリジットに怪訝な目を向けるキャットとキースや「おまえに何が分かる」ときつい言葉を投げたシャルから彼女を守るようにポジションを移動するのは、やっぱりエリオットも向こう側の人間なのだろうか……10話で軟派な登場をしたきり特にアンと関わるシーンを見せてこなかった男の真意が測りかねます。
しかし、アンの状況を聞いたエリオットの冷静な指摘……
待って。証拠ってすり替えられたアンの銀砂糖のこと?
TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』第12話
そんなもん、あるわけないじゃない。
捨てるだろ、普通。悪いことしたんだから。
俺が犯人だったら間違いなく捨てる。
これ実はアニメで追加されたオリジナルの台詞だったので驚いているのですが、原作でもラドクリフ工房に向かったシャルの思考の中で考えられていた可能性の一つとしてあったことでした。
ただ「まだ銀砂糖はある」と視聴者を含め皆が信じて動いていた中での冷静な指摘……冷水を浴びせられるとはこのことでしたね……

なんとなくだけど、コリンズさんはキャットたちと違ってアンへの肩入れ具合が少なそうだから冷静に見られるっていうのもあるのかも、とは思いました。

確かに、最初の動きも含めて中立の立場って感じよね。ブリジットの方に寄ったのも責められて可哀想だから、くらいの気持ちだったのかな。
原作でも「エリオット・コリンズは、よく分からない男だった」と書かれているので、今のところは作者公認のよく分からない人なんですよね。
このあと、ブリジットが犯人が誰で銀砂糖がどうなったのかをすべて見ていたけど教えるつもりはないと発言し、翌朝の品評会前のシーンに切り替わるのですが、品評会は後ほどまとめてお話しするので、引き続きラドクリフ工房でのシーンをお話ししたいと思います。
何時間そうしていたのか……
Bパート開始直後、エリオットの部屋が映し出されました。
シャルたちが部屋に入ってきたばかりのときは2本目だったワインの瓶が目視できるだけで5本に増えており、すっかりシラフに戻っているブリジットの顔色、そしてテーブルを挟んで睨み合う二人(実際に睨んでいるのはシャルだけですが)を死んだ目で見つめるエリオット……夜の間中ずっと膠着状態だったらしいことがわかりますね。
このシーンは見るだけでげんなりします。それだけです……

郵便が来たときのエリオットの嬉しそうな声と言ったらもうね……
決断の朝
夜が明けて砂糖菓子品評会開催の時刻が迫る中、キースとキャットは品評会へ向かい、エリオットは退席。
頑なに口を閉ざすブリジットと二人残されたシャル。
シャルが瞼の下で思い返したのは、昨年の品評会で落選したのち、また来年ここに来ると、シャルの仕事はここまでだと寂しそうに砂糖菓子を渡してきたときのアンの姿でした。
脅しは通じない。ブリジットという人間を相手にして、シャルがアンのためにできること。それは……

……。

……。
ここめちゃくちゃ賛否の分かれるシーンだと思うんですが。
原作はシャルの視点ということで「羽持ってるやつの命令だったからやった。あとは知らん」と言わんばかりの塩っぽい文章だったのですが、アニメはブリジットの視点で描かれていたのか、結構な時間を使った丁寧なシーンに仕上がってました。
最初は本当にしてくれるとは思わなくて動揺したけど(多分ファーストキスだったんだろうし…)好きな人とキスできたのが嬉しくて、でもシャルがただ無感情に唇くっつけただけで動かないから途中で「こんなもんか…」と思って冷静になったみたいな。
投げ渡された羽の袋に頬擦りしたアニオリ演出も合わせて見る人によっては気持ち悪くて仕方ないらしいですが、まぁこの時のブリジット→シャルの感情は歪ですからね。そういう感想も納得ですし、むしろ狙ったのではないかと思えます。

アンは最後まで純粋な恋心だと思っていたみたいだけどね…
あと、ブリジットがシャルの背中に手を回したときに羽に手の甲が当たったんですが、何にも、ひとっつも反応してなかったですよね。
意図的に触ったのではないので難しいところですが。
不快だと逆に何も反応がないのか、それとも命令遂行中で感情を殺していたから何もなかったのか……考察の捗るところです。
二度目の品評会も波乱の幕開け
整然と並んだ参加者、詰めかけた大勢の観客……しゃっくり病にかかったシャルが離席している間に、品評会が始まろうとしていました。
シャルの不在に、明らかに何かを隠しているふうのミスリル、ギリギリになって駆け込んできたキースに不安になるアンでしたが、その不安は的中してしまいます。

そんな感想抱いてる場合ではないのは承知の上なんだけど、アニメ版では何があったかキースが話そうとしたときにミスリルが砂糖菓子の陰で慌ててる描写がひたすら可愛かったね。
アン・ハルフォードは、砂糖菓子職人の名に値する人間ではない
物々しい雰囲気の銀砂糖子爵から告げられたのは、アンの持参した銀砂糖が大量生産品のものであるという何者かからの告発でした。
キースは銀砂糖のことを知っているからではなくその馬鹿げた告発文を真に受けて公開したヒューに抗議したようですが、ダウニング伯爵に一蹴されてしまいます。

アンの砂糖菓子づくりの腕は物がある限り証明されてしまうし、アン自身に直接危害を加えようとして失敗……そこで目をつけたのが銀砂糖だったってわけか……しつこいな……

これ、原作では伯爵じゃなくてヒューの台詞だったんですよね。
アニメでダウニング伯爵に変わったことで迫力がすごいシーンとなりました……
確かに、アンは個人でやっている砂糖菓子職人なので自分で銀砂糖が精製できなきゃお話にならないですし、去年も品評会に参加しているので銀砂糖子爵にも王家にも実力は知られています。
アニメでは観衆の中に先輩銀砂糖師のキャットがいてしっかり抗議してくれていましたし、風見鶏亭の女将さんが言う通り、前フィラックス公の砂糖菓子を作り切ったからには銀砂糖が作れないなんてありえないですし、アンの作る質の高い砂糖菓子を買ったことのある人も多くいるでしょう。
しかし、それは想像に過ぎないのです。
アンが精製した銀砂糖で砂糖菓子を作ったことがある(5話参照)キャットはたまたま知ることができたということで別として、個人でやっているからこそ砂糖菓子の原料となる銀砂糖の精製をちゃんと自分でやっているという事実を誰も証明できないですし、前フィラックス公の件はフィラックス城内という閉鎖空間で行われたこと……銀砂糖の精製シーンを見ていない一般人からすれば告発文に流されてしまうのも分かりますし、知っている事実と異なるからと告発を揉み消したことが知られれば、銀砂糖子爵やアンの世評がどうなるか。

禍根を残さないようにとあえて告発文を公開し、アンを信じて確認を促したこの流れは仕方ないよね……
そしてこの状況を見て明らかにおまえだろな人物が一人いますが、それはもう11話までのふるまいで分かりすぎるほど分かっていたことなので、割愛いたします。

キースたちも「やったのはどう考えても…」って言うとったしね。
思い通りに事が運んでさぞ嬉しかろう……でもその表情はキモいからしまっとけ?(笑)

しかし国王の「またおまえか」がつらいですね。
そうですね。真っ直ぐに向き合いすぎたが故の結果と言ってしまえばそれまでですが、砂糖菓子に誠実であるはずのアンが、この神聖な場ではめただのはめられただのくだらないことに巻き込まれ続けている現状がつら過ぎますね……
砂糖菓子職人としての潔白証明
理由はどうあれ、自分が精製した銀砂糖を持たぬ者に、ここにいる資格はない—— 国王から直接失格宣言を受けたアンは参加を諦めますが、銀砂糖は確かに自分で精製したのだと、自分が職人として誠実にきちんと仕事をこなしてきたことだけは証明して去ろうと決めます。
アニメでは王妃が見たいと言うので砂糖菓子を見せてほしいという国王の言葉と、自分が作った砂糖菓子に背中を押されたように、原作では前フィラックス公に貰った『おまえは、最高の砂糖菓子職人だ』という言葉……どちらも過去に全力でこなしてきた仕事や品評会で関わり、アンのことを認めてくれている人からの言葉でした。
国王、王妃、銀砂糖子爵、参加者、そして観衆……白布が取り払われた瞬間、皆が息を呑むほど美しいアンの砂糖菓子。
アンは国王にお願いして王家の妖精クリフォードを召喚してもらい、彼の手を借りて、持参した砂糖菓子は大量生産品で作ったものではないこと、そして自分で精製した銀砂糖は確かに存在するのだということを証明したわけですが、原作ではなぜそうするのかの理由を理路整然と国王に述べている長台詞があります。

ここで品評会参加を棄権しなくてはならなかったジョナスの銀砂糖はすでに大量生産品に混ぜこまれたという補足情報が公開されており、アンの銀砂糖も同じようになっているのかもしれないと語られていました。
アニメでは「妖精は銀砂糖の味の違いが分かると聞きます。この砂糖菓子がどんな銀砂糖で作られたのかも」というロマンチックな二文にまとめられていました。

砂糖菓子を手渡されて戸惑うクリフォードに、アンが「お口に合えば良いのですけれど」って微笑んだシーンすごく好き。

光を発しながら手のひらで吸収していくのは知ってたけど、最後あんなふうに消えるんですね…… 不思議な食べ方だ……
三樽の銀砂糖はどこへ行ってしまったのか謎ではあるが、銀砂糖を精製できないという言いがかりは払拭でき、誇りは守った。ただ失格は失格なのでこれで去ろうとしたところに、タイミング良くシャルを従えたブリジットが到着。
そして、銀砂糖のすり替えはサミーが主導となって行なったこと、そのすり替えられた銀砂糖は、あろうことかサミーが自分のものとして提出していたことが発覚しました。

いやしかしブリジットはよく見過ぎな(笑)
助かったからいいけど。

さっきアンへの匿名の告発文でちゃんと確認を実施したんだから、愛弟子が疑われたからって「ペイジ派の言いがかり」は通らないぞ、ラドクリフさん……
この上質なものが自分の手で生み出したものだったら良かったのに……と思ってしまう砂糖菓子職人としての性が、彼の完全犯罪に穴を作ってしまったという話。
しかも、バレたら自分が追放されるどころか競走馬が一人減った状態でアンが砂糖菓子品評会に参加できてしまうという……(笑)
ただ、原作にも記載がありますが、まさか砂糖菓子を壊して銀砂糖の味を確認することによって精製者を証明するとは誰も思わないので、普通なら穴ですらないはずだったんですよね。
アンの職人としての誇りと意地が手繰り寄せた勝利でした。
サミーはこのまま処分されるわけですが、彼はラドクリフ工房派の職人……ということで、国王に対して必死に許しを乞う長マーカス・ラドクリフ。
銀砂糖子爵を介して「派閥の長に委ねろ」と言った原作とは違い、アニメでは直接「見苦しい、早く立ち去れ」という厳しすぎる台詞だったので、次から王家が絡む砂糖菓子関係のイベントでラドクリフ工房派が活躍するのは難しいだろうな……と思ってしまいました。品評会は個人プレーだからまだ圧倒的な実力を示せば何とかなるかもしれないが。第2クールの新聖祭が国教会主催でよかったね。
国王様の素敵な御言葉と王家勲章の行方
さて、ようやくですね。アンは出品用の砂糖菓子の一部こそ欠けてしまいましたが、自分で精製した銀砂糖三樽を取り戻せたということで、満を持しての砂糖菓子品評会スタートです。
アニメでの描写を見る限り今年の参加者は五人……その内サミーが失格となったので、アンとキースとその他二人の合計四人の中から銀砂糖師が選ばれることとなります。

少ないね。これもう実質アンとキースの一騎打ちじゃない?
そのようでした。キースの砂糖菓子に関して国王は「非の打ち所がない」「妖精を形にした砂糖菓子でこれ以上のものは見たことがない」「そなたの砂糖菓子は完璧だ」と絶賛でしたからね。

しかし、この世のものを模した作品としては最上という評価にとどまりました。
そしてその言葉を聞いたキースの微妙な反応……
これがキースがアンの砂糖菓子から感じる不安の正体でした。
どんなに精緻であろうと作り物であるかぎり本物に及ばず、作品としての魅力はそこで止まってしまうのです。
原作では特に、モデルであったシャルがその場にいたために比較対象となってしまった一部始終が描かれ、アンがその言葉を聞いて前フィラックス公のために本物とそっくりな砂糖菓子を作ったことを思い出していたので、納得度は高いです。

アニメでの国王の表情を見るに職人としての腕はかなり評価してるように思えます。
あと一歩……と、期待をこめた思いが表情から伝わってくるようでした。
なぜキースではなくアンの作品を選ぶのかを話した時の言葉がとても素敵でしたね。
原作のあのシーンを要約したらこうなるんですね……という。かっこよかったな……

「その手折られた花の傷跡さえ美しく見える」はワードセンスが高過ぎるのよ…
さて。なめらかに白く光を反射する王家勲章を授与され、この日、アンは晴れて銀砂糖師の称号を得ました。
1話で旅に出る時に掲げた目標、「ママみたいな銀砂糖師になる」のスタートラインに立つことができた彼女は何を思うのか。
そして観衆の向こう、大切な友人が未来を手にした瞬間を見届け、晴れた空を見上げる黒曜石の妖精は、いったい何を思ったのか……
別れの時がやってきます。
予定されたBAD ENDING
アンが、さまざまな困難を乗り越えてついに王家勲章を貰った!銀砂糖師になれた!という喜びも束の間。わたしたち視聴者はラドクリフ工房での取引を知っているので急でもなんでもないのですが、何も知らないアンにとっては急に訪れたお別れのシーンになってしまいました。


王家勲章拝領のシーンで流れてた諸星すみれちゃんの『I Will Go On』、すごく爽やかで明るい曲なのに初めて聴いたのが12話劇中だったせいで聴くたびにこのシーンが連想されちゃって大変なのよ……
原作ではアンが言い募る”離れる理由”を苦しげに否定して抱きしめただけではなく、アンの目尻に浮かぶ涙を拭ったのか最後の思い出か、はたまたブリジットに口づけてしまった自分の唇を清めるためか……理由は分からないですが、アンの目尻に強く口づけてから「離したくなかった」を絞り出すので、アニメの演出に関して放送当時は少しばかり淡白に感じてしまっていたのですが、このあとに追加されたアンがシャルを追いかけるシーンや13話の再会シーンに山を持ってくるために抑えたのかなぁ…と、今はそう感じます。
その距離は開き続ける
いち早く事実を知ったシャルがラドクリフ工房でブリジットと取引したことを知らないアンは、突然理由も言わずに別れを告げたシャルに動揺し悲しむだけでしたが、そこに唯一、一連の事情を知るエリオットが。
いけないなぁ、女の子がこんなところに座りこんだら。
ドレスが汚れちゃうよ?知らないっていうのは、哀れだねぇ。
俺は女の子の味方だから、教えてあげよう。あの妖精は、君の銀砂糖のありかを聞き出すために、ブリジットに羽を渡したんだよ。
TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』第12話
君のために、彼は自由を売った。
いやもう本当に、ほぼ一言一句原作通りで珍しい台詞。ありがとう←
12話収録範囲はエリオットが美味しいところを持っていくことが多くて、これは次話以降で活躍するフラグですわ……と今なら思うのですが、当時はアニメがここで終わると思っていたので、当然この台詞どころかこの展開もやらない可能性も考えていたんですよね。

ね。原作通りのENDなのは12話入る前からなんとなく感じてたけど、このシーン来た瞬間にこの先もアニメでやってくれるんだって確信したよね。
原作ではここで終了なのですが、アニメは先述の通りアンがシャルを乗せたブリジットの馬車を追いかけて、でもいろんなものに阻まれて結局追いつけないまま、膝をついて終わってしまうという終幕になりました。
このいろんなものに阻まれて距離がどんどん開いていくという演出がですね、「知らなかったからこうなった」「気づくのが遅かった」もっと言うと「知ったとしても今のアンでは何もできず結局こうなったのかもしれない」を表しているようで切なく胸に痛い……
そして欲しいものに全力になった結果大切なものを失った自分の愚かさと無力さに気づいたアンがこのあとどう立ち上がり、どう成長していくのか……そんな期待も感じさせるシーンでした。

第1クールを見てきて、たった15,6歳の子には厳しすぎる世界ですね……という感想でした。最近の物語の傾向とは違って、それが新鮮で面白くもありました。

ジャンプとかだと最近でもまだまだこんな感じでしんどい展開を経る作品あるけどね。
他媒体だともう珍しかったりするのかな…?

なるほど…だから管理人が「シュガーアップルは友情・努力・勝利」ってジャンプ三大原則言ってたのか…笑
最後に、特報PVを語りましょう
さてさて、CMや提供などが続けて流れるTV放送と違って、配信は12話のタイトル画面のあとのエンディング『叶える』も流れず次回予告のカットも入らないので(※円盤では13話の予告が追加されてます)、本当にスン…て感じであまりにもあっけなく終わってしまい毎度放心する管理人ですが、この特報PVは映像からボイスからBGMから何から、すべてが感情を煽りに煽ってくる代物となっております。
シャルの「おまえは未来を手に入れた」から始まって、各人の台詞のバックでアンがシャルと出会ってからの思い出がダイジェストで流れているのですが、ここのシーン選びがなんか……ただの思い出やロマンスのシーンではなく、シャルのアンに対する感情が揺れ動いたシーンを抜粋しているのでしょうか。
原作でシャルに感情移入してしまっている管理人としましては、BGMのメロディーも相まって余計に感極まってしまいます……

心にガツンとくるコード進行に主旋律のパート選びが実にずるい……
この壮大な編成で悲しいメロディーを持つ曲、『エピローグ』っていう曲らしいですけど、このPVのために作ったんか?ってくらいマッチした曲だよね。
あと少しだけ第2クールの映像や台詞が流れたのも嬉しかったです。
12話で心が抉られたまま3ヶ月空いたリアルタイムのときと違ってもう続けて13話を視聴できる環境ではありますが、これから第2クールを見る方は13話に行く前にぜひこのPVを視聴してみてほしいです。
13話以降を視聴するテンションが違ってきます…!(確信)
それでは、また次回でお会いしましょう!

第2クール(13話〜24話)はリアルタイム放送時に1話ずつ毎週書いていた記事になります。

おつかれさまでした〜!
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