【アニメ感想】シュガーアップル・フェアリーテイル 第1話『かかしと妖精』

23.11.04

むかしむかしのお話よ。

このハイランド王国は、妖精たちの国でした。
妖精たちは、平和を愛していました。
美しいもの、楽しいものを愛し、何百年もの間、穏やかに暮らしていました。

——でも、いまのようせいさん、かわいそう。

そう、かわいそうね。

それは五百年前、人間が反乱を起こして、妖精たちを下僕にしたからなの。
世間の人は、妖精たちを「遊び暮らして人間に負けた愚かな奴ら」って言うけど、
ママはそうじゃないと思う。
妖精は人間よりも数が少なくて、人間との力比べに負けてしまっただけ。

——どうしてママは、そうおもうの?

だって、ほら。

——きれい……

砂糖菓子は、聖なる食べ物。
妖精たちの寿命を延ばし、人間に幸運をもたらす。

そして、この砂糖菓子を初めて作ったのは妖精なのよ。

——ほんとう?

砂糖林檎からこの銀砂糖を精製する方法を、妖精たちが発見したの。
そして、砂糖菓子が生まれた。
だから、砂糖菓子職人は……とりわけ銀砂糖師は、妖精を蔑んじゃいけない。
友達として、つきあわなくちゃいけない。

あなたもね、アン……

——うん!


この記事は、10038C-R’s Noteメンバーと管理人がTVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』第1話を視聴して内容を軽く紹介・解説しながら、感想を楽しくお喋りしている記事です。
原作の内容も含みますので、作品のネタバレを回避したい方は、ぜひここでブラウザバックしてアニメを視聴、または原作を読むことをお奨めします。
そしてぜひ、そのあとに感想を分かち合いましょう…!

アニメ1話は原作第1巻『銀砂糖師と黒の妖精』一章から

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第1話

Story Introduction

人間が妖精を使役し、砂糖菓子が幸運をもたらすと信じられている世界。
そこで聖なる砂糖菓子を作る特別な砂糖菓子職人は、”銀砂糖師“と呼ばれていた。

一流の銀砂糖師だった母を亡くした少女・アンは、跡を継いで自らも銀砂糖になることを決意する。
そのためには、年に一度開催される王都の品評会で、職人としての腕前を認められなくてはならない。
王都へ向かう途中、アンは護衛として戦士妖精のシャルを雇う。
シャルは戦士としての腕は確かだが、口が悪く、人間を信用しないせいで、アンとの喧嘩が絶えない。

けれど、そんなシャルと旅をするうちに「友達になりたい」と願いはじめるアン。
種族や立場の違い、そして困難な状況を乗り越えながら、人間のアンと妖精のシャルが、ともに紡いでいく未来とは——?

これは、砂糖林檎に導かれた少女と妖精、二人の夢と恋が紡ぐ珠玉のおとぎ話。

第1話『かかしと妖精』

銀砂糖師だった母を病気で亡くした少女・アンは、自分も一流の銀砂糖師になるという夢を抱き、砂糖菓子の品評会が開催される王都へと旅立つ。
途中の町で立ち寄ったのは妖精市場。
そこでアンは、見た目は美しいが口が悪い、シャルという戦士妖精を旅の護衛として金貨で買う。

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー

2023年1月6日(金)。2010年代前半に連載され、堂々完結を迎えていた伝説の作品『シュガーアップル・フェアリーテイル』のTVアニメ放送が開始されました。

その記念すべき第1話は、原作1巻の第一章『かかしと妖精』、そして第二章『ブラディ街道での再会』の序盤が収録されていました。

しゃお*
しゃお*

1話は世界観や専門用語を読者の頭に刷り込むために説明的になりがちなんだけど、というか原作の一章もかなり説明的だったんだけど、物語の導入としては良すぎるくらい良かったよね。

室長
室長

色んな聞き馴染みのない用語が出てくるんですが、アニメではキャラのセリフで物語が展開していくため、すっと頭に入ってきますね。

しゃお*
しゃお*

あれ、室長。なんで…?

冒頭で雰囲気を重視するために言うタイミングが無かったのですが。
実は感想記事を書き始めたのが第2クール(13話)からだったので第1クールは記憶を消して初見を装って鑑賞することにしています。
しかしそうするにはしゃお*さんは色々知りすぎているし、原作知らないポジションだったHERO君も第2クールの感想を書く都合上第1クールの内容は履修しちゃってるので、同ポジションで室長に来てもらうことにしました。
1話は説明もあるので三人に居てもらってますが、2話以降はHERO君と室長でお話ししていきます。

HERO
HERO

そういうことだ。
おとなしく実家に帰って遅い夏休みを過ごすといいよ。

しゃお*
しゃお*

えーっ!

はい。ということで、シュガーアップル・フェアリーテイル第1話、はじまります。

カットまたは再編により変更されたシーン

  • 冒頭のむかし話【変更】
  • ハルフォード親子とノックスベリー村【カット】
  • ジョナスとのエピソード【変更】
  • 銀砂糖師エマ・ハルフォードと砂糖菓子について【カット】
  • 妖精市場と妖精について【変更】
  • シャルとの出会いのエピソード【変更/追加】
  • 戦士妖精の扱い方【ほぼカット】
  • アンがシャルを叩こうとした理由【変更】
  • 初日の夜【半分カット】
しゃお*
しゃお*

すっごい細かく色々変わってるんだけど、あえてリストにするとこのくらいかな。

HERO
HERO

そうだね。こんな感じでいいと思う。

室長
室長

ほぼ一章ですよね? いつもこんなに多いんですか?

HERO
HERO

んー…第2クールの最初の頃はそうでも無かったんですけどね。
回を経るにつれて僕たちが細かく見るようになってしまったのか、それとも実際にそうなのかはまた比べ直してみないと分からないですね(笑)
12話まで頑張りましょうね、室長。

シャル関連の後半四項目はのちほど専用の段落でお話ししますので、ここでは割愛いたします。

冒頭のむかし話【変更】

冒頭はアンが幼い頃のエマとの記憶から始まります。
妖精のお話をアンに聞かせるエマ。アニメでは妖精の砂糖菓子を作りながらですが、原作では寝物語として語られています。
また、『シュガーアップル・フェアリーテイル』という作品の世界観の前提となる部分が一緒に語られているこのシーンですが、原作ではもう少し詳しく語られておりました。

しゃお*
しゃお*

締めの「よく眠って、笑って。そして砂糖菓子みたいに、優しい女の子になってね。」は成長したアンが本当にその通り育ってるから泣きそうになる…

ハルフォード親子とノックスベリー村【カット】

原作では詳しく描かれているハルフォード親子とノックスベリー村、そしてアンダー家との関係……
エマが半年前から逗留していたノックスベリー村で亡くなって村の墓地で眠っていること、その際に同業のよしみで砂糖菓子店を営むアンダー家が部屋を貸してくれていたこと、他の村人もとても親切だったこと。
そしてジョナスとは半年一つ屋根の下で暮らしたが、親しく話をしたことはほとんどないという仲であること。
アニメではアンが旅立つシーンで矢継ぎ早に匂わされる程度に拾われていますが、ほぼカットですね。

HERO
HERO

こういう最初の方の細かいバックボーンというのはアニメでは省略されがちなので、原作の小説ならではという感じがして僕は好きです。

室長
室長

厳しい面が目立つシュガーアップル・フェアリーテイルの世間にも優しい部分があったんですね。そこに何か思惑があったとしても。

ジョナスとのエピソード【変更】

原作ではさらっと終わったジョナスとのお別れシーンですが、アニメではアンの状況説明やお世話になっていたアンダー家の様子の説明を兼ねて出発前にするジョナスとの会話が膨らまされていました。

室長
室長

アニメ見た時「なんでプロポーズまでした相手をそんなディスるんだ?!」ってなっちゃったところでしたが、原作だとジョナスのセリフじゃなかったんですね(笑)

そうなんですよね。原作では地の文で語られているアンのあまりよくない状況を、アニメではジョナスの台詞に変更されたため、あのような感じになっておりました(笑)

また、原作では三日前にアンダー家の人々に旅に出ることを告げていると記述があります。
その際に「お嫁さんになる?」と言われているのですが、アニメではアンが旅に出る理由を話すことやジョナスからのプロポーズが一回目ではないことが度々挟まれる二人の「言ったでしょ」や「言ったろ?」でしっかり反映されています。

しゃお*
しゃお*

この辺ほんと細かいよねー。
1話の記事書くために原作と細かく見比べるまで全然気づかなかったわ。

銀砂糖師エマ・ハルフォードと砂糖菓子について【カット】

原作小説ではアンがジョナスを振り切って馬車を走らせてから母親であるエマのことや、彼女と一緒に砂糖菓子を売る放浪の旅で得た知識を回想する描写があります。
また、ここで砂糖菓子がどのように作られ、どのような場面で需要があるのか、どうして需要があるのか……それとともに銀砂糖師という資格を得ることの難関さも語られています。

HERO
HERO

原作ではここでまとめて語ってその知識が必要になった場面で都度…って感じだけど、アニメでは言葉だけ出しておいて必要になった時に詳しく語る感じですかね。

アニメ1話ではエマみたいな銀砂糖師になりたいアンの気持ちだけ「ね、ママ…」の一言と幼い頃のワンシーンのフラッシュバックで組み込まれていました。

妖精市場と妖精について【変更】

レジントンに到着した時、作中で初めての妖精が登場するのですが、アニメのこのシーンではおとなしく使役されていない妖精がどういう扱いを受けるのか、そして羽を傷つけられることが体を踏み潰されるよりも格段に攻撃力があるという事実にフォーカスしていました。
原作では、アニメでは後ほど語られる人間が妖精を使役する方法や、妖精を使役する人間、そしてジョナスの身の回りを世話や砂糖菓子の仕込みの手伝いをする妖精キャシーの存在も明かされています。

アンが妖精市場を歩き回るシーンで何人かの妖精を見て回っていたのですが、アニメと原作で異なる点が二つあります。
一つ目は、原作では子犬ほどの大きさの毛むくじゃらの妖精がいること(アニメでは大きさは様々あれど皆人間と同じ姿でしたね)。
二つ目は、アニメでは瓶に入って飾られていたのは羽のみですが、原作では小麦の粒ほどの小さな妖精が入れられていたことです。

また、労働妖精、愛玩妖精、戦士妖精…と分類がありますが、原作では妖精商人が妖精を売り分ける基準のようなものがこのシーンで詳しく書かれています。

室長
室長

そういえば私、初回視聴の際は原作読まずにノー知識で見てますけど、アニメでは原作みたいに妖精のことまとめて語ってるシーンとかないのになぜかちゃんと三種に分類されてるって頭に入ってきたんですよね。

HERO
HERO

確かに。僕もここ普通に見てましたけど何の疑問も持たなかったです。
アニメオリジナルで入ってたモブ商人の呼び込み台詞がいい仕事してますよね。


というところで、今回のカット&変更されたシーンは以上です。
それでは本編行きましょう。

キャラクター紹介

アン・ハルフォード(cv:貫井柚佳)

本作の主人公。亡き母の跡を継ぎ、一流の銀砂糖師になることを目指す十五歳の少女。
りんごのような赤い瞳(原作では榛色と書かれている)を持ち、麦の穂色の髪を二つに編みこんでいる。
十五歳にしては小さく痩せて手足が細いため”かかし”と呼ばれる。
真面目な性格で、いつも明るく前向きだが、ちょっとお人好し。
妖精を使役しないという信条を持ち、友達になりたいと願っている。
護衛として雇った戦士妖精のシャルとは喧嘩ばかりしているが……?

シャル・フェン・シャル(cv:水中雅章)

高い能力を持つ戦士妖精。肩下までの真っ直ぐな黒髪に黒い瞳。ぞっとするほど整った容姿だが口が悪く、態度も尊大。
自分を買いにくる人間たちに散々悪態をついて売れ残り、不良品と噂されていた。
七十年以上人間に使役されており、羽を奪い返して逃げる機会を狙っている。
やせっぽちのアンに対して初対面で”かかし”呼ばわりし、買われた後も事あるごとに悪態をついたり睦言を囁いて反応を楽しんでいる。

HERO
HERO

アンとシャルについては知りすぎていて逆にどこまで書いていいか悩みますね(笑)

室長
室長

途中で出てくるキャラと違って既存キャラとの関係もまだ無い1話ですしね。
二人ともまだ謎な部分が多いですし。

しゃお*
しゃお*

そういえば貫井さんはこのアン役が初めての主演だそうで。

室長
室長

そうだったんだ!
声ぴったりだし、アンの複雑な感情の演じ分けがものすごく上手だなぁと思ってたんですよねー。

ジョナス・アンダー(cv:川島零士)

ハルフォード親子がお世話になっていたノックスベリー村の砂糖菓子屋の息子。
金髪と南国から輸入されたガラス玉のような青い瞳を持つ王子様で、村の女の子たちの人気を一身に集めていたらしい。
半年前に村に来たアンのことが気になっているようで、彼女が王都に旅立つ際にプロポーズしたが、アンには同情だと思われている。
アニメではアンの状況(背が低く財産をほとんど持たないなど)を語る役を与えられ、原作よりも話を聞かない感じのキャラになっている…気がする…

HERO
HERO

アニメのジョナス面白いよねー(笑)

しゃお*
しゃお*

“南国から輸入されたガラス玉のような”は原作の表現をお借りしているのだけど、よく描かれる青い瞳とは印象が違って独特な美しさなんだよね。ジョナスの瞳の青って。

エマ・ハルフォード(cv:久川綾)

アンの母親で一流の銀砂糖師。
アンと同じ赤い瞳に、アンより黄色寄りの茶髪を後ろで一つにまとめている。
生前はアンを連れて馬車で王国中を旅しながら砂糖菓子を売っていた。
妖精を蔑んではいけないという考えの持ち主で、その思想は娘のアンにしっかり受け継がれている。

HERO
HERO

エマも1話だけだとこのくらいかな。


そのほか、レジントンでアンが助けた労働妖精(cv:高橋李依)、その妖精に虐待していた妖精狩人(cv:杉崎亮)、その様子を遠巻きに見ていた農夫(cv:相馬康一)村人(cv:所河ひとみ)
そしてレジントンの妖精商人(cv:前田弘喜,水越健,藤井隼,佐々木義人)が1話の登場キャラクターです。

しゃお*
しゃお*

cv:高橋李依さんの労働妖精はクレジットでキャラ名出てたね(笑)

そうですね(笑)
今回で紹介するか迷ったのですが……とりあえずネームドキャラということで、しかもエマやジョナスよりも上位にいるということで相当なメインキャラでしょうから、彼が再登場してから改めてご紹介することにします。

HERO
HERO

え、妖精商人の前田弘喜さんって、ブルック教父の人じゃない?
同じ声だったのか……

室長
室長

ごめんなさい、さっき再編のところで第2クールのこと訊いた私が言うのもあれなんですが…初視聴を装うという話では…(笑)

HERO
HERO

あっ…

夢を追いかけたい十五歳の旅立ち

ママ、見守ってて。わたし、ママみたいな銀砂糖師に、きっとなるから

アニメ1話は、主人公のアンが亡き母エマの墓に花を供え、希望を感じる表情で出発するところから始まります。
アンは銀砂糖師になるため——今年の砂糖菓子品評会に参加するために、半年間世話になっていたジョナスの家から旅立つところだったのでした。

室長
室長

ちょっと…せっかく原作もあることですし、今のアンと彼女を取り巻く状況を整理しておきたいですね。

HERO
HERO

そうですね。アンのアニメ1話時点での状況について書いておきましょうか。

しゃお*
しゃお*

前の段落と重複する内容もあるかと思いますが、その点はご了承ください。

アニメ1話時点でのアンと彼女を取り巻く状況

  • アンは生まれてからずっと、銀砂糖師である母親のエマと二人で旅から旅の生活をしていた。
  • 半年前(今年の春先)、エマが病に倒れ身動きが取れなくなったため、たまたま近くにあったノックスベリー村に逗留することに。その際、村の砂糖菓子屋であるアンダー家がただで部屋を貸してくれた。
  • 半月前にエマが亡くなり、葬儀などを済ませたあと、アンは今年の砂糖菓子品評会に出て銀砂糖師になるために旅立ちを決意した(旅立つ三日前の夜にアンダー家の人々に告げている)。
  • 「僕と結婚しよう」と言ったアンダー家の息子であるジョナスはアンと同じ十五歳だが、一つ屋根の下で暮らした半年間、親しく話をしたことはほとんどなかった。
  • アンはジョナスのプロポーズを同情だと思っている。
  • そもそもアンはジョナスのお嫁さんとして生きる人生に魅力を感じず、自分の足で歩いていきたい、夢(ママみたいな銀砂糖師になる)を追いかけたいと思っていた。
  • 砂糖菓子品評会はルイストンという都市で開催される。
  • ジョナス曰く「ルイストンまでアン一人で旅をするのは無理」。
  • ジョナスの家(砂糖菓子屋のアンダー家)は裕福で、ラドクリフ工房派の血縁。
HERO
HERO

こんなところでしょうか。原作からばっさりと省略されている情報もありますが、あの短い旅立ちのシーンでこれだけの情報が詰め込まれています。

室長
室長

1話のこのシーンはジョナスのプロポーズのインパクトが大きくて色々持っていってしまう感じなのですが、原作ではジョナスのお嫁さんにというより結婚自体に魅力を感じてない節がありますよね。

ちなみに、原作一章ですでに砂糖菓子や銀砂糖師に関連することが詳しく記載されているのですが、アニメでは明らかに情報開示が後回しにされているなと感じましたので、ここでは触れていません。

妖精虐待シーンに遭遇

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第1話

アンを引き留めようとするジョナスを振り切るシーンもそこそこに、アンの馬車は”レジントン”という町へ到着し、広場で謎に集まる人たちを目にします。

アニメでは少々野次馬っぽく感じられましたが、広場の人だかりに声をかけたのは人だかりのせいで道が塞がっていてアンの馬車が通れないからでした。
もし馬車が何の問題もなく通り抜けられていたら……ここでこの小さな妖精を助けることも無かったのでしょう。

室長
室長

このあとの話だけでなく、ここで妖精を助けるのも運命だったんですね。

この妖精への虐待シーンはほぼ原作通りなのですが、アンと農夫の台詞の順序が代わったことによってアンが妖精を助けに行った理由のニュアンスが少し異なって感じられました。
原作ではアンが十五歳で成人しているという旨を先に話していて「ちゃんとした大人なのに妖精を見殺しにしたなんて一生自分を恥じる」という理由で妖精狩人のところへ特攻しています。

しゃお*
しゃお*

アニメでは特攻する前は何も言わなかったから、この子は自分が小さい子供だったとしても何かしらの方法で助けようとするんだろうな…と思わせる演出になっていたね。
まぁ単にテンポをよくするための構成変更かもしれないけどね。

また、アンが妖精に羽を返して逃した後、アニメでは周囲の人たちの非難によって妖精狩人が気まずくなって騒動がおさまったという流れですが、原作ではそれに加えてアンが一言妖精狩人に嫌みっぽい台詞を言ってその場はおさまっています。

しかしここで助けた妖精……羽が弱点なのは設定説明で分かったのですが、自分の何倍も大きな人にあんな何度も何度も力一杯踏みつけられてるのに骨一本折れてないどころかすぐにアクロバティックな逃げ方ができるほど弱った様子が無いって、相当耐久値高いですよね。
人間だったら確実に骨砕けてそうですが。
妖精は小さくても身体の能力的に人間よりもかなり強い種族だったりするのでしょうか。

そして……彼、明らかにキャラデザやカットへの映り方がメインキャラのそれだったのですが、今後いつ再登場するんでしょうね。楽しみですね(笑)

少女と妖精、運命の出会い

しゃお*
しゃお*

……まぁ、メインディッシュはここからだよね。

そうですね(笑)
アンが今年の砂糖菓子品評会参加に間に合うようにルイストンへ着くためにはブラディ街道という長く危険な道を通らなければならず、戦士妖精を買って護衛をしてもらうために妖精市場のあるレジントンへ来たという背景がありました。

アニメでは直接語られていないですが、アンは信頼できる人間の護衛を見つけられなかったため、”妖精を使役しない”という信条を曲げて妖精市場に来ています。
いかに扱いが難しい戦士妖精といえど羽を握ってさえいれば言うことを聞くので、人間の護衛よりよほど信頼できるという世界のようです。

HERO
HERO

確かに、護衛は慎重に人を選ばないと逆に危害を加えられてしまうのはありがちですよね。

室長
室長

個人が雇えるような護衛は基本無法者たちがやるような仕事ですもんね…

護衛をしてもらうために戦士妖精を使役するのは、どうしても今年の砂糖菓子品評会に参加したいために選んだ苦渋の選択なのですが、それがここでもう一人の主人公シャル・フェン・シャルと運命の出会いを果たす選択となるのです。

美しいけれど口が悪い妖精

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第1話

綺麗……なんてものじゃない。こんな妖精見たことない

ノックスベリーの王子様ジョナスの綺麗な容姿ですら冷静な目で見るアンが、思わず見惚れてしまった黒ずくめの綺麗な妖精……彼に体型を“かかし”と揶揄されたことから運命が動き始めました。

ちなみにアニメでは彼に”かかし”と言われてすぐに自分のことだと分からなかった描写が入るのでここで初めて言われたみたいな感じですが、原作では「行く先々で”かかし”と揶揄われた」という説明があります。

しゃお*
しゃお*

原作は間髪入れずに「失礼な…」って言ってるもんね。

さて、綺麗だから愛玩妖精だと思ったら実は彼がレジントンで唯一の戦士妖精(他の商人曰く不良品)だと発覚し、購入に至るのですが、この妖精市場でのシーンはおそらくアニメでの演出の山場を設定するために展開が原作から変更されています。

話を聞いてもどうしても戦士妖精に見えない彼の購入を迷うアンに「俺を買え」と言う妖精。
そしてそれを見て「このお嬢ちゃんに一目惚れでもしたか?」と笑う妖精商人。

アニメではこの後、そんな商人に向かって妖精が「貴様と一緒にするな。この薄汚い人間が」と悪態をついたことによって羽を痛めつけられる罰を受け、苦しんでいる妖精を前にしながら購入を促されたアンがほぼ売り言葉に買い言葉のような勢いで購入する、という流れになっていました。

原作ではそのまま「こりゃあ買うしかねぇだろう」と妖精の値段を提示されたアンが妖精と直で仕事内容などの話をしたあと、他の市場へもっと真面目でおとなしい妖精を探しに行く時間は無いという理由で購入を決めています。

しゃお*
しゃお*

ここ、妥協して買ってるの何回読んでも面白いんだよな。
時間のロスが致命的とはいえ強そうに見えないって割とクリティカルな問題なのでは…笑

原作で先にしていた仕事内容や妖精提案の高飛車サービス(笑)の話は、アニメではレジントンを出発してからの馬車上でしていましたし、羽を痛めつけるのは原作では渡した片羽が本物だと証明するために行われていましたね。
また、原作には片羽を奪われないようにする方法や幸先が不安になるような会話など、アニメではカットになった妖精商人や妖精とのやりとりがいくつかあります。

HERO
HERO

試しで羽痛めつけられるの妖精からしたらほんと理不尽なんだよなぁ……
いやまぁ渡した片羽が本物だって証明するにはこの上ない方法なんだけどさ。

妖精——シャルの態度については、原作は基本的に人間を馬鹿にして見下している感じが強いですが、アニメでは侮蔑や軽蔑よりも嫌悪や拒絶が強く表現されている気がしました。
妖精と人間の関係への価値観やこれからブラディ街道を抜けた後の処遇について話すアンに対して原作のシャルは鼻で笑ったりしていましたが、アニメのシャルはアンの言葉に一ミリも興味を示さない、真顔で淡々とした態度でしたしね。

しゃお*
しゃお*

アンもアニメでは「そこまでわたしが嫌いなら」って言ってたもんね。
この台詞、原作だと「そこまで馬鹿にしてるわたしに」なんだよね。

ママを侮辱しないで!

妖精市場でのシーンを通して、アンは原作では勝気で強そう(に見せている)な少女という印象だったのが、妖精商人やシャルに対する台詞のカットのされ方からアニメでは世間に動揺したり弱気なところが隠せていない印象に変わりました。

そしてそれをダメ押しするのが見出しの台詞のシーンですね。
妖精と人間が対等な関係になることが夢だと語るアンがシャルを叩こうと手を振り上げる(原作では実際に叩くが避けられる)……その行動の結果も原因になったシャルの発言も、上述の印象と連動してアニメと原作で異なります。

アニメでは「親子揃ってかかし頭か」→「ママを侮辱しないで!」→叩こうとするが叩けない、ですが、原作では「それほどのかかし頭なら、その馬鹿さ加減を、ルイストンに到着したら証明しろ」→「かかしって呼ぶなって言ったでしょう!?」→実際に平手を飛ばすが避けられる、となります。

しゃお*
しゃお*

怒るポイントが違うのはアンの性格がどうのというより、かかし呼ばわりが初なのかそうじゃないのかというのがあると思うけど、それはそれとして「ママを侮辱しないで」の怒ってるけど泣きそうな言い方が、やっぱり原作から感じるアンの性格というか態度?とはちょっと違って見えるわ。

室長
室長

文章から受ける印象は人によって少し違うところもあるので断定はできませんが、原作のアンはアニメに比べて全体的に強そうな女の子に見えますよね。台詞だけを見ると。

HERO
HERO

あと平手を構えるアンを見るシャルめちゃくちゃ怖くなかった?

しゃお*
しゃお*

わかる… アンというよりアンの首にぶらさがってる羽の袋を見てた感じがあるけど、それまでの無関心だったりののらりくらり人を馬鹿にしたような態度とは一変、すごい鋭い瞳だったよね…

また「人間なんぞ、どれも同じだ」とアンに買われた理由を話すシーンですが、原作では台詞のみで行動の描写は無いので、立ち上がって壁(馬車)ドンしつつ顔を近づけるのはアニメオリジナルでした。

原作に描写のないシーン

アニメ1話では、原作の該当箇所周辺数ページにも描写が無い完全アニメオリジナルと思われるシーンが一箇所ありました。

先ほどの段落、シャルが「おまえはここ数年目にした中でだんとつに間抜けそうだった」と言ったあとからブラディ街道に入るまでですね。

原作では特に心情描写も無く数行でブラディ街道に入ってしまうのですが、アニメでは『心地よい風』というタイトルの音楽に乗せて黄金色の稲穂が揺れる拓けた道を馬車がゆったりと走る無声パートが入ります。
穏やかな風を感じていたシャルがなんとなく左に視線を向けて瞳を揺らすのですが、その視線の先には少し大人びた表情をしたアンの横顔が……というシーンです。

HERO
HERO

ここで初めてシャルの視点に切り替わったわけですが、さっきまでのシーンとの繋がりといい、このシーンは少し毛色が違いますよね。

室長
室長

というかこの子たち、さっきまで喧嘩してたんですよね?
それにしては心情描写穏やかすぎませんか。シャルはアンみたいな小娘と何があったかなんて気にも留めないってことなんでしょうか……

しゃお*
しゃお*

やろうと思えばこのシーンのシャルの心情考察もできるけど、もしアニメ1話と原作の該当部分しか知らなかったら難易度高すぎだなぁ(笑)

ブラディ街道突入〜初日の夜

ついに盗賊や野獣が跋扈する長く危険な街道、ブラディ街道に突入しました。
原作で地の文で書かれていた街道の説明を、アニメでは地図を見ながらアンとシャルがそれぞれ独り言のような台詞で説明してくれます。
ここで生まれてから十五年間旅暮らしでハイランドの地理に詳しいアンだけでなく、シャルが口を出すことで彼が今までどういう生活をしてきたのかほんのりと仄めかされる作りになっているのはなかなかに技アリなシーンですね。

しゃお*
しゃお*

「頼りにしてるわよ」の返事で「せいぜい祈るがいいさ…」と馬車に後ろ頭をつけて遠くを見る歴戦の戦士妖精の様子がブラディ街道を旅することの過酷さを物語っている……


アンがシャルと共に旅を始めた初日の夜。
ここでも原作からカット、変更されたところやアニメオリジナルのシーンがいくつかありました。
よくよく見ると原作での描写とアニメで実際に描かれているものが細かく違ったりするのですが、とりあえずはシーン単位での再編やアニメオリジナルが入ったところを中心にお話しします。

HERO
HERO

放送されてから10ヶ月くらい経っていて、それこそ管理人やしゃお*さんは数えきれないほど観ている1話なんだけど、今更初めて見つける細かい違いとか普通にありますからね。

しゃお*
しゃお*

そう。だからねー、何回も観ても初めて観た時みたいに面白い。

自分の生きる道を見つけて、しっかり生きるのよ

原作ではアンがノックスベリー村から旅立つ朝、エマの最期の言葉として語られていた台詞ですが、アニメでは初日の夜に見た夢で使われていました。
その夢から醒めたときにはなんとシャルがアンの持つ片羽を盗もうとしている最中で……
夢の中でエマの手を握ったのと連動して現実では首にかかろうとするシャルの手を握っていたので、エマが夢枕に立って守ってくれたのでは…なんて妄想もしたわけですね。

引用:TVアニメ『シュガーアップル・フェアリーテイル』公式サイト|ストーリー|第1話

とりあえず跳ね起きて馬車のところまで逃げたアンはシャルが片羽を盗もうとしたことを悟って責める言葉を吐くわけですが、シャルが追いかけて「友達?相手の命を握っておいてか」と今回二度目の壁(馬車)ドンをかますのはアニメオリジナル演出です。

室長
室長

しかし壁ドンも床ドンも少女向けドキドキシチュエーションのはずなのに、どのシーンもまったくそんな気配が無いのさすがですよね。
どちらかといえば近付かれすぎて怖いまでありますよ…

HERO
HERO

そんな恐怖シーンのあとにはしっかりギャグ描写もね、ありますから。

しゃお*
しゃお*

簡単に胸元の片羽に手を出せないように自ら巻き寿司になったアンちゃんもアニオリですね。

HERO
HERO

蓑虫じゃなくて?(笑)

しゃお*
しゃお*

シュガーアップルは洋風ファンタジーだからシャルは蓑虫って言ってたけど、日本人の私たちからすればあれは蓑虫より巻き寿司なんだよ(笑)

さて、蓑虫…巻き寿司になったまま眠ったアン。
アニメでも少しだけ拾われていましたが、原作では妖精市場でアンと出会う前や出会った時にシャルが考えていたことや先ほどのやりとりを通じて感じたことなど、アニメだけでは汲み取れないシャル視点の初日の夜が語られていますので、ぜひ読んでみてください。

OPテーマ曲『ミュージカル』

by.KADOKAWAanime (YouTube)

マクロスシリーズの歌姫として声優・歌手デビューを果たした経歴を持つ鈴木みのりさんが歌う『ミュージカル』。
フルオーケストラを思わせる重厚な伴奏に乗せた透明感のある歌声は少女向け作品にぴったりな純粋で可愛らしく、時に力強い世界観を演出してくれます。

しゃお*
しゃお*

そういえば知ってました?
この曲で対旋律を担当してるトランペット、生演奏なんですよ!

室長
室長

それって珍しいことなんですか?

しゃお*
しゃお*

今はもしかしたら変わってるのかもですが、数年前に習いに行ってたトランペットの先生が「歌唱曲のオケで管楽器の生演奏はなかなか無い」って言ってました。

映像が全体的にキラキラで可愛くて良いのですが、特にサビでアンとシャルが踊るのがすごく良いですよね。
本編ではあまり(というか今のところ全く)無い熱く見つめ合う感じがとても……こんな感じで仲良くなっていくのかと期待させる感じで。

また登場人物がかなり多いのが匂わされていました。

室長
室長

楽しみだけど、きちんと覚えられるか不安ではありますね……

HERO
HERO

大丈夫ですよ、普通に一回見ただけで覚えられますから。
名前を正確に覚えるのはちょっと大変かもですが。

最後に。

ラストは「面倒だな」と言いつつ盗賊を追い払うどころかあっという間に殺してしまったシャルの戦闘力に絶句するアンと、血を浴びた姿で振り返る冷たい目をしたシャルのカットで幕引きです。

しゃお*
しゃお*

いやしかし前日まであんなに嫌悪感丸出しだったのにここで急にいやがらせで睦言お遊びが始まるの、視聴者的には見てて面白いけどアンは振り回されて大変だな、と思うよ…

HERO
HERO

ああ、あれいやがらせなんだ?

しゃお*
しゃお*

原作では顔を赤くするアンに「面白いな」って馬鹿にしたように笑ってるし、”間違いなく新手のいやがらせだ”って書いてある。

HERO
HERO

まぁあの危機迫ったタイミングでやられるからにはそりゃそうか…

室長
室長

あと戦闘シーンはそれまでの切ないけどゆるやかなシーンや可愛らしいオープニング曲とのギャップが色々すごいですよね…シーンの色彩も、雰囲気も(笑)

しゃお*
しゃお*

こういうギャップに耐える回が何度かあるから頑張ってね室長。

まぁ次回から本格的に入るブラディ街道は血生臭い危険な街道ですからね。
2話にしてティザーの綺麗で可愛い雰囲気を裏切るお話になりかねないですが…ここからどんなふうに話が展開していくのでしょうか。楽しみです。

HERO
HERO

それでは第1話お疲れ様でした。

しゃお*
しゃお*

お疲れ様でした〜!

室長
室長

また次回お会いしましょう!

次回予告映像

by. KADOKAWAanime (YouTube)

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1話の内容が読める原作『銀砂糖師と黒の妖精』はこちら